セッション情報 | ポスター食道症例1 |
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タイトル | P-163:食道癌CRT後局所遺残・再発に対するsalvage ESDの検討 |
演者 | 小野澤 由里子(京都府立医科大学消化器内科) |
共同演者 | 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 北市 智子(京都府立医科大学消化器内科), 堀居 雄介(京都府立医科大学消化器内科), 鈴木 建太朗(京都府立医科大学消化器内科), 冨江 晃(京都府立医科大学消化器内科), 木村 礼子(京都府立医科大学消化器内科), 土肥 統(京都府立医科大学附属北部医療センター), 鎌田 和浩(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科), 伊藤 義人(京都府立医科大学消化器内科) |
抄録 | 【背景】化学放射線療法(CRT)後の完全寛解(CR)例の局所再発に対して,内視鏡的治療や外科手術によるsalvage治療が試みられているが,明らかな有効性を示したエビデンスレベルの高い報告はない.【目的】術前内視鏡所見で切除可能と判断した食道癌CRT後の局所遺残・再発に対するsalvage ESDの有用性について臨床病理組織学的に検討した.【対象】2006年4月~2013年10月までに京都府立医科大学および附属北部医療センターにて食道癌CRT後局所遺残・再発に対するESDを施行した6症例.【結果】平均年齢61.8歳(44~76歳),男女比5:1の6症例であった.観察期間は276~1432日(中央値875日),CRT前病期はStage1 4例,Stage2 1例,Stage4a 1例であった.CRT後CRを得た症例は5例,83.3%であり,再発までの期間は78~286日(中央値189日)であった.これら5例のCRT後の再発に対してESDを施行した.残り1症例はPRであり,残存病変に対してESDを施行した.以上6例において,ESD施行時に粘膜下層の軽度線維化を認めたものの,すべて一括切除が可能であり,合併症は認めなかった.切除標本の病理結果は,深達度T1a-LPMが2例(1例がPRであった症例)であり,追加治療なく,以後再発を認めなかった(1例は他病死).深達度T1a-MMが2例であり,1例はリンパ節再発にて追加化学療法を施行中,1例は局所再々発に対して最終的に手術を施行し,以後再発なし.深達度T1b-SM2が2例(リンパ管浸潤陽性・水平断端陽性1例,リンパ管浸潤陽性・垂直断端陽性1例)であり,1例は追加化学療法施行し再発なし,もう1例は他病死であった.いずれも原病死は認めなかった.【結語】食道癌CRT後遺残・再発に対するsalvage ESDは,局所病変のコントロールや病理診断が得られるという点において有用であるが,症例数が少なく,今後CRT後のsalvage ESDの適応の更なる検討が必要である. |
索引用語 |