セッション情報 ポスター

食道症例1

タイトル P-164:

食道粘表皮癌の2切除例

演者 若林 秀幸(日本医科大学消化器外科)
共同演者 松谷 毅(日本医科大学消化器外科), 野村 務(日本医科大学消化器外科), 萩原 信敏(日本医科大学消化器外科), 藤田 逸郎(日本医科大学消化器外科), 金沢 義一(日本医科大学消化器外科), 眞鍋 恵理子(日本医科大学消化器外科), 河越 哲郎(日本医科大学消化器内科学), 川見 典之(日本医科大学消化器内科学), 内田 英二(日本医科大学消化器外科)
抄録 【はじめに】食道の粘表皮癌はまれな悪性腫瘍であり,日本食道学会による2003年の全国集計2,233例中1例(0.04%)のみである.今回,食道粘表皮癌の2例を経験したので報告する.【症例1】75歳の男性.主訴は嚥下困難.上部消化管内視鏡検査にて,胸部下部食道の3型病変と胃体中部小弯の0-IIa病変を指摘し,生検で食道腺扁平上皮癌と胃管状腺癌を認めたため同時性重複癌と診断した.胸部下部食道切除+胃全摘術を施行した.切除標本の病理組織検査所見では,胃病変は高分化管状腺癌(pT1aN0M0),食道病変は扁平上皮癌の一部にPAS,Asian-Blue染色にて粘液を有する腺癌細胞を認めたため粘表皮癌(pT3N1M0)と診断した.【症例2】55歳の男性.主訴は嚥下困難.上部消化管内視鏡検査にて,胸部下部食道の病変を指摘し,生検で粘表皮癌と診断した.左開胸下部食道+胃全摘術を施行した.切除標本の病理組織検査所見では,粘表皮癌(pT3N2M0)と診断した.術後8ヶ月後に肺,肝,骨,骨格筋転移を認め,化学放射線療法および化学療法を施行中である.【結論】食道粘表皮癌の予後は,扁平上皮癌に比べ良好とする説と早期にリンパ節再発・遠隔転移をきたし不良とする説があるが,報告例が少なく一定の見解が得られていないというのが現状であるが,本邦報告例と本症例をreviewし報告する.
索引用語