セッション情報 ポスター

食道症例2

タイトル P-166:

当院で経験した好酸球性食道炎の5例

演者 佐藤 望(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科)
共同演者 山下 真幸(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 池田 佳子(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 石郷岡 晋也(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 小澤 俊一郎(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 細谷 浩介(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 松尾 康正(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 前畑 忠輝(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 山本 博幸(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 安田 宏(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医科大学病院消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】近年,欧米だけでなく本邦でも,好酸球性食道炎の報告例は認知度と共に増加傾向であり,日常診療で診断に至る機会が増えている.【目的】当院で経験した好酸球性食道炎5例の臨床的背景と治療を比較検討する.【対象】2011年4月から2013年9月までに好酸球性食道炎と診断され,当院で治療を行った5例.【症例】平均年齢54.0歳(39-75),男性4例・女性1例.主訴は4例が喉のつかえ感,1例が嘔吐であった.4例でアレルギー歴(小児喘息・花粉症)を有していた.プロトンポンプ阻害薬は全例無効であった.上部消化管内視鏡所見は,縦走溝,輪状狭窄,白濁粘膜,多発潰瘍,所見なしと様々であった.全例にて食道粘膜からの生検で食道上皮内に20個以上/HPFの好酸球浸潤を認めた.1例で線維性狭窄の合併症を有し拡張術を必要とした.末梢血中の好酸球増多は全例認めなかった.最終的な治療は,ロイコトリエン受容体拮抗薬3例,プレドニゾロン2例.それまでに行った治療はロイコトリエン受容体拮抗薬2例,抗アレルギー薬2例,吸入フルチカゾン2例であった.【考察】好酸球性食道炎は,病因については不明な点が多いがアレルギーの関与が疑われており,治療はプレドニゾロン内服あるいは吸入フルチカゾンが推奨されている.抗アレルギー薬の有効性は一定ではないが,当院ではロイコトリエン受容体拮抗薬が著効した症例を経験しており,治療方法の1つとして有用であると考える.【結語】好酸球性食道炎は,今後発症率および診断されるケースが増加していく事が予想される疾患である.我々は疾患の存在と特徴を知っておく事が重要であり,またより良い治療法の確立を目指す必要がある.
索引用語