セッション情報 | ポスター食道症例2 |
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タイトル | P-169:食道病変を伴った初発クローン病の2例 |
演者 | 行元 崇浩(嬉野医療センター消化器内科) |
共同演者 | 白石 良介(嬉野医療センター消化器内科), 大石 敬之(嬉野医療センター消化器内科), 磯田 広史(嬉野医療センター消化器内科), 北山 素(嬉野医療センター消化器内科), 森崎 智仁(嬉野医療センター消化器内科), 有尾 啓介(嬉野医療センター消化器内科), 綱田 誠司(嬉野医療センター消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】クローン病に上部消化管病変を伴うことは知られているが食道病変は比較的まれとされている.今回われわれは食道病変を伴った初発クローン病の2例を経験したので報告する.【症例1】25歳女性.1日10回以上の水様下痢・口内炎が遷延し,発熱・新鮮血下血・腹痛も出現したため当院救急外来を受診した.体温38.7℃,口腔内に多発アフタを認め,腹部全体に圧痛あり.WBC 16,300,Hb 8.4g/dl,CRP 6.1mg/dlと炎症反応上昇・貧血を認め精査加療のため緊急入院となった.下部消化管内視鏡では上行結腸からS状結腸にわたる深い縦走潰瘍を認め,上部消化管内視鏡では食道全域に縦走潰瘍を認めた.組織学的にはいずれの病変からも非乾落性肉芽腫は証明できず.症状および内視鏡所見からクローン病と診断しメサラジンおよびPPIの内服を開始したところ比較的速やかに症状改善した.第25病日に退院し,第85病日に施行した内視鏡検査では食道・大腸とも潰瘍は瘢痕化していた.【症例2】26歳女性.高熱と水様下痢のため近医で加療されるも改善なく当科を受診.体温37.5℃,口腔内にアフタを散見し,腹痛は軽度であったが,経口摂取困難であり精査加療のため入院となった.輸液・抗菌剤により加療するも改善に乏しく,第5病日に直腸内視鏡を施行したところびまん性のアフタあり,上部消化管内視鏡では食道に打ち抜き様の小潰瘍が多発し胃に竹の節状変化を認めた.クローン病を疑いメサラジンおよびPPIの内服を開始したところ,症状軽快し第15病日に退院となった.しかし,第22病日に発熱と口内炎再発,両膝・足関節痛が出現し再入院.血球除去療法(GMA)を開始したところ速やかに症状消失し,内視鏡所見も改善した.【結論】2症例とも嚥下痛などの症状はなく食道病変から肉芽腫は証明されなかったが,クローン病の改善とともに治癒しクローン病の随伴病変と考えられた.クローン病の食道病変では症状を伴わないことも多く,積極的なスクリーニングが必要であると考えられた. |
索引用語 |