セッション情報 ポスター

膵 悪性腫瘍1

タイトル P-174:

AFP産生膵腺管癌の1例

演者 大原 真理子(滋賀医科大学消化器内科)
共同演者 稲富 理(滋賀医科大学消化器内科), 大崎 理英(滋賀医科大学消化器内科), 児堀 綾子(滋賀医科大学消化器内科), 伴 宏充(滋賀医科大学消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医科大学消化器内科), 西村 貴士(滋賀医科大学消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医科大学消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医科大学消化器内科), 安藤 朗(滋賀医科大学消化器内科), 藤山 佳秀(滋賀医科大学消化器内科)
抄録 [症例]53歳女性.腹痛,軟便,体重減少を主訴に近医を受診.精査のため当院紹介となった.造影CTでは膵頭部腫瘤および肝両葉に多発した肝腫瘍を認めた.血清AFP値は34748ng/mlと著明に高値を認めた.原発巣の診断に苦慮したが肝生検の結果,腺癌であったことより進行膵癌(StageIVb)と診断した.化学療法としてGemcitabine(1000mg/m2,day1,8,15)+Erlotinib(100mg/body,day1-28)を開始,第4コース投与後には血清AFP値の低下と肝転移巣の著明な縮小を認め,RESIST基準でPRと判断した.その後,腫瘍の増大,腹膜播種による腹水増加を認めたため,化学療法をGemcitabine(1000mg/m2,day8,15)+S-1(80mg/body,day1-14)に変更するも肝不全が進行し,第266日に永眠された.病理解剖では腫瘍細胞は未分化/中分化型の混在した膵腺癌であり,免疫染色ではAFP強陽性を認め,AFP産生膵腺癌と最終診断した.[考察]初診時既に全肝に及ぶ多発肝転移を生じていたがGemcitabine+Erlotinib療法が奏効し,比較的長期の予後が得られた症例である.また,AFP産生膵癌はその多くが腺房細胞癌であり,腺癌の報告は比較的稀である.今回,文献的考察を加えて報告する.
索引用語