セッション情報 ポスター

膵 悪性腫瘍1

タイトル P-178:

全身性転移を伴うNeuroendocrine carcinoma(NEC)にエベロリムスを使用した1例

演者 陶山 遥介(京都第一赤十字病院消化器科)
共同演者 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院消化器科), 太田 崇之(京都第一赤十字病院消化器科), 松村 晋矢(京都第一赤十字病院消化器科), 吉田 寿一郎(京都第一赤十字病院消化器科), 寺崎 慶(京都第一赤十字病院消化器科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院消化器科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院消化器科), 川上 巧(京都第一赤十字病院消化器科), 山田 真也(京都第一赤十字病院消化器科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院消化器科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院消化器科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院消化器科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院消化器科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院消化器科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院消化器科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院消化器科), 佐藤 修(京都第一赤十字病院放射線科), 樋野 陽子(京都第一赤十字病院病理診断部), 浦田 洋二(京都第一赤十字病院病理診断部)
抄録 【症例】67歳 男性【既往歴】特記事項なし【現病歴】2012年5月から左側腹部痛が出現し同年10月当院受診となった.造影CTでは膵尾部を中心として周囲臓器と一塊となり内部壊死を伴った多血性腫瘍性病変,多発肝転移病変,多発リンパ節転移が認められた.肝生検の病理免疫染色でCD56陽性,クロモグラニンA陽性,シナプトフィジン陽性であり非機能性神経内分泌腫瘍と診断,さらにKi-67指数(>20%)からNECに分類され,病理組織像からlarge cell typeと診断した.外科的根治術は困難であるため,患者と家族の同意の上で内科的治療としてmTOR蛋白阻害薬であるエベロリムスによる抗癌剤治療を施行することとなった.2012年11月からエベロリムス10mg/日を内服開始.途中,薬剤性間質性肺炎(grade 3)を発症し,一時休薬したが,薬剤性間質性肺炎の改善後からは全身状態は改善し,PRと診断した.その後もPRを維持しながらエベロリムス5mg/日内服を継続していたが,2013年6月間質性肺炎が再発し,エベロリムスは休薬.その後は骨転移と,腫瘍熱,腹水貯留により全身状態が不良となり2013年8月に永眠された.【考察】一般的には膵消化管NECには肺小細胞癌に準じた治療であるcisplatin(CDDP)とetoposide(E)によるCDDP/E combinationが推奨されている.本症例は全身性転移を伴うNECに対してエベロリムスを使用し,腫瘍縮小と6ヵ月間の腫瘍安定化と良好なQOLおよび10ヵ月の生存期間が得られた1例を経験した.膵消化管NEC large cell typeにはmTORの発現が顕著であるとの報告があり,本症例の治療からエベロリムスの有効性が示唆されるため,文献的考察も含め報告する.
索引用語