セッション情報 |
ポスター
小腸1
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タイトル |
P-184:パテンシーカプセル及びカプセル内視鏡を用いたクローン病の小腸病変の検討
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演者 |
可児 和仁(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
加藤 真吾(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【背景及び目的】2012年7月クローン病に対する小腸病変精査としてパテンシーカプセル(PC)による開通性評価及び,カプセル内視鏡(CE)が保険適応となった.クローン病患者の小腸病変に対する有用性を検討する.【方法】2013年9月までにクローン病患者39人に対し,PCによる開通性の評価を施行した.その後のCE所見および安全性について検討した.【結果】患者背景として,男女比は,27:12,平均年齢34歳で,手術歴は20例あり,そのうち4例は人工肛門増設術後であった.治療歴としては,成分栄養療法22例,メサラジン32例,免疫調整薬8例および抗TNFα抗体療法20例であった.開通性ありと判断したのは76.9%(30/39)であった.PC内服後,28例は33時間以内に,Body部分に変形がないまま,平均20.6時間で排出され開通性ありと判断した.画像評価したのは11例で,1例PCが回収できなかった.4例腹部X線のみで評価し,そのうち1例に嘔気が出現し,1例イレウス像あり入院した.6例は腹部X線による評価が困難で単純CTを施行し2例は大腸内であることを確認した.4例CTで小腸にあった.開通性の評価をCDAIで分類すると,寛解期は15.7%(3/22),活動期は36.3%(4/11)で開通性なしであった.開通性ありと判断した30例にカプセル内視鏡を施行した.小腸に5例は所見がなく,縦走傾向のないびらん又は潰瘍を16例に認めた.また,クローン病に特徴的な所見は,敷石像3例,縦走傾向の潰瘍5例,縦走傾向のびらん1例の計9例30%(9/30)に認めた.部位別では,空腸病変12例,回腸病変16例に認めた.【考察】手術歴のある患者でも,パテンシーカプセルを使用することで開通性の評価が可能であった.カプセル内視鏡はクローン病に特徴的な所見を空腸回腸ともに観察でき,クローン病の診断,治療評価に有用であることが示唆された.しかし,パテンシーカプセルにより加療が必要なイレウスを引き起こす可能性があり,注意が必要である. |
索引用語 |
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