セッション情報 ポスター

小腸1

タイトル P-185:

炎症性腸疾患症例における,バルーン内視鏡の意義

演者 加賀谷 尚史(金沢大学附属病院消化器内科)
共同演者 北村 和哉(金沢大学附属病院消化器内科), 堀井 里和(金沢大学附属病院消化器内科), 飯田 宗穂(金沢大学附属病院消化器内科), 小村 卓也(金沢大学附属病院消化器内科), 北原 征明(金沢大学附属病院消化器内科), 大石 尚毅(金沢大学附属病院消化器内科), 砂子坂 肇(金沢大学附属病院消化器内科), 鷹取 元(金沢大学附属病院消化器内科), 島上 哲朗(金沢大学附属病院消化器内科), 荒井 邦明(金沢大学附属病院消化器内科), 山下 太郎(金沢大学附属病院消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大学附属病院消化器内科), 山下 竜也(金沢大学附属病院消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大学附属病院消化器内科), 本多 政夫(金沢大学附属病院消化器内科), 吉田 功(金沢大学附属病院消化器内科), 金子 周一(金沢大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】バルーン式内視鏡(BAE)による,診断や治療の進歩によって,小腸疾患の診療が長足の進歩を遂げた.小腸病変を有する炎症性腸疾患症例に対して,バルーン内視鏡を施行する意義を検討する.【方法】当院にBAEを導入した2005年10月から,2013年8月の期間に施行した,クローン病,ベーチェット病症例に対する検査について,臨床背景,内視鏡検査目的,内視鏡検査結果,予後について検討した.【結果】富士フィルムメディカル社 ダブルバルーン内視鏡システム(DBE)を用い,期間中にDBEを用いた検査治療を718回施行した.男性460回,女性258回.検査時平均年齢34.6歳(13-73歳).検査の主目的は,出血または貧血の精査150例,潰瘍病変の精査78回,腫瘍性病変69例,イレウスや高度の便秘の精査36回,術後腸管でのERCP検査24例,腹痛の精査19回,大腸内視鏡挿入困難例6回,炎症性腸疾患症例に対するDBEは,336回(クローン病113例315回,ベーチェット病8例21回.経口挿入65回,経肛門挿入271回.)であった.クローン病113例のうち,67例に対しては継時的に複数回検査を施行した.内視鏡検査結果をもとに,治療方針を変更強化し,平均16か月でのfollow up検査で,23例で粘膜病変が治癒し,臨床的再燃は32例で認めなかった.再燃を認めた例では有意に粘膜病変が活動性であった.ベーチェット病では,診断(病変範囲評価)目的6回,治療効果判9回の検査を施行した.全例多発小潰瘍を認める症例であったが,粘膜病変の治癒に至った症例は認めなかった.【結論】炎症性腸疾患でのDBEは,小腸病変の診断,治療効果を内視鏡観察により判定し,適切な治療法を選択することで,寛解維持に寄与しうると考えられた.
索引用語