セッション情報 ポスター

小腸1

タイトル P-186:

ダブルバルーン内視鏡を用いた小腸病変の治療,術後腸管のERCPに関する検討

演者 大仁田 賢(長崎大学消化器内科)
共同演者 橋口 慶一(長崎大学消化器内科), 福田 浩子(長崎大学消化器内科), 庄司 寛之(長崎大学消化器内科), 卜部 繁俊(長崎大学消化器内科), 松島 加代子(長崎大学消化器内科), 南 ひとみ(長崎大学消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大学消化器内科), 山口 直之(長崎大学消化器内科), 塩澤 健(長崎大学消化器内科), 磯本 一(長崎大学消化器内科), 竹島 史直(長崎大学消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学消化器内科)
抄録 【目的】ダブルバルーン内視鏡(DBE)の登場により小腸疾患の診断や治療は大きく進歩した.また,術後再建腸管に対するERCPの有用性も報告されている.今回我々は,当科で施行した小腸の治療的DBEと術後腸管のERCPに関して検討を行った.【対象と方法】対象は2004年11月~2013年8月に施行した小腸DBE223例,360件(経口170件,経肛門190件)と術後腸管に対するERCP36例,54件.検討1:治療的小腸DBEの内訳.検討2:術後腸管のERCPの目的部位到達率,カニュレーション成功率,処置の内訳.【成績】検討1:内視鏡治療は,EMRが34件(Peutz-Jeghers症候群29件,過誤腫1件,粘膜内癌1件,腺腫1件,青色ゴムまり症候群2件),止血12件(クリップ6件,APC5件,止血鉗子1件),異物除去5件,バルーン拡張術5件であった.このうち1例は狭窄部の口側にPTPを認め拡張後回収した例,輸入脚の狭窄拡張後,上流の結石を破砕した例があった.偶発症に関しては,バルーン拡張術による穿孔を1例認めた.検討2:術後再建腸管に対するERCP症例の術式は胃切後Roux-en-Y再建17件,Billroth-II法再建5件,胆管切除・胆管空腸吻合術後17件,膵頭十二指腸切除/幽門輪温存膵頭十二指腸切除8件,肝移植後7件であった.目的部位到達率は83.3%(45/54),カニュレーション成功率は79.5%(35/44)で吻合部92.6%(25/27)に対し乳頭部61.1%(11/18)と乳頭部では有意にカニュレーション成功率が低く(p<0.05)なっており,不成功例はすべてR-Y再建症例であった.処置はEPBD/バルーン拡張18件,ERBD/ENBD12件,EST1件,結石除去13件(重複あり)であった.カニュレーション成功例は全例なんらかの処置が可能であり,偶発症は認めなかった.【結論】DBEは小腸疾患の治療,術後腸管のERCPに有用である.しかし高度癒着やスコープ操作性不良例で困難な場合や,処置具が限られているなどの問題がある.
索引用語