セッション情報 | ポスター小腸1 |
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タイトル | P-187:長期に抗TNF-α抗体製剤が有効なクローン病患者の特徴 |
演者 | 石田 哲也(大分赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 上尾 哲也(大分赤十字病院消化器内科), 永松 秀康(大分赤十字病院消化器内科), 成田 竜一(大分赤十字病院消化器内科), 占部 正喜(大分赤十字病院消化器内科), 柳井 優香(大分赤十字病院消化器内科), 都甲 和美(大分赤十字病院消化器内科), 福田 昌英(大分赤十字病院消化器内科) |
抄録 | 目的:抗TNF-α抗体製剤の登場によりクローン病治療は大きく様変わりし,その登場により長期に予後良好な症例を経験するようになった.クローン病治療の目標である入院,手術を減少させるためには抗TNF-α抗体製剤の最適化が必要である.そこで当科において抗TNF-α抗体製剤を投与したクローン病患者のうち長期に経過良好な症例の条件を検討したので報告する.方法:対象は2002年より2013年6月まで当科で抗TNF-α抗体製剤を導入したクローン病患者である.今回の解析は遡及的な解析で,抗TNF-α抗体製剤として仕様経験が長期であるインフリキシマブ(IFX)を用いた.画像診断で縦走潰瘍以上の粘膜病変を有し,ステロイドやTPNを必要とする病勢の患者をIFX導入の適応とし,3回(0,2,6週)投与後,以後基本的には8週毎に維持投与した.IFX導入後治療変更が全くなく8週投与を5年以上維持している症例を効果持続群(23例)とした.入院,手術,効果減弱,不耐などにより治療方法の変更を必要とした群を経過不良群(55例)とした.これら両群について種々の項目を比較検討した.結果:効果持続群は経過不良群に比して,診断からIFX導入までの期間が短く,腸管手術が少なくて,粘膜治癒を達成していた.IFXの長期経過に及ぼす因子として短変量解析ではIFX導入までの期間,腸管手術歴,狭窄の有無,粘膜治癒達成が抽出され,多変量解析では粘膜治癒達成が抽出された.結語:当科での解析では罹病期間が短くて手術歴がなく,狭窄などの腸管合併症がなく粘膜治癒を達成した症例は抗TNF-α抗体製剤の効果が長期に持続した.この結果より罹病期間が短くて腸管変形を生ずる前に抗TNF-α抗体製剤を投与開始し,粘膜治癒まで改善させることがクローン病患者の長期予後,自然史を改善することに寄与するのでないかと推察された. |
索引用語 |