セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例1

タイトル P-195:

Pagetoid spreadを伴った肛門管癌の2例

演者 山口 哲司(富山大学消化器・腫瘍・総合外科)
共同演者 北條 荘三(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 吉田 徹(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 渡辺 徹(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 平野 勝久(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 森山 亮二(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 大澤 宗士(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 神山 公希(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 渋谷 和人(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 吉岡 伊作(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒志(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 澤田 成朗(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 奥村 知之(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 長田 拓哉(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 塚田 一博(富山大学消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒太郎(富山大学皮膚科), 清水 忠道(富山大学皮膚科)
抄録 【症例1】81歳,男性.掻痒感を伴う肛門周囲皮膚病変を主訴に,皮膚科受診.皮膚生検にて乳房外Paget病と診断されたが,生検の免疫染色でCK7/CK20ともに陽性,GCPFP15陰性であり,Pagetoid Spread(以下PS)が疑われた.原発巣検索目的に当科紹介.肛門管に8mm大の隆起性病変を認め,生検でtub1であり,PSを伴った肛門管癌と診断した.cN0,cM0であり,またperformance status 3であったため,R0手術を目標に肛門管癌から肛門周囲皮膚病病変の局所切除およびS状結腸人工肛門造設術を行った.病理組織学的検査ではtub1>>tub2>por2,pAであり,lymphoscintigraphyで集積のあった左鼠径部リンパ節に転移を認めた.術後6カ月無再発である.【症例2】80歳,男性.下着に血液が付着するようになり,近医で下部消化管内視鏡検査が行われたが,大腸直腸に病変は指摘されなかった.この時,肛門周囲のびらんを指摘され,皮膚生検が行われた.病理組織学検査でPaget様細胞を認め,免疫染色でCK7/CK20ともに陽性,GCPFP15陰性であり,PSが疑われた.当科紹介となり,肛門指診で肛門管右側に2cm大の腫瘤を触知し,大腸内視鏡検査で肛門管に隆起性病変を認めた.生検でtub1であり,PSを伴う肛門管癌と診断した.腹腔鏡補助下直腸切断術を行い,肛門周囲皮膚病変は1cmのマージンをとり切除した.会陰部皮膚欠損部は大臀筋皮弁形成を行った.病理組織学的検査ではtub1>muc,pMP,pN0であった.術後7カ月無再発である.肛門周囲Paget病は,皮膚原発の乳房外Paget病と,直腸肛門管癌から皮膚へ進展したPagetoid Spreadに分類される.今回,比較的まれなPagetiod Spreadを伴った肛門管癌の2例を経験した.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語