セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例2

タイトル P-200:

化学療法によりCRが得られた4型大腸癌多臓器転移の一例

演者 池宮城 秀和(国際医療福祉大学三田病院消化器内科)
共同演者 片岡 幹統(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 鈴木 伸治(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 安斎 翔(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 白崎 友彬(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 藤井 崇(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 間渕 一壽(国際医療福祉大学三田病院消化器内科), 齋藤 慶幸(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 出口 倫明(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 加藤 亜裕(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 黒田 純子(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 似鳥 修弘(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 首村 智久(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 吉田 昌(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 北島 政樹(国際医療福祉大学三田病院消化器外科), 相田 真介(国際医療福祉大学三田病院病理診断センター), 森 一郎(国際医療福祉大学三田病院病理診断センター), 長村 義之(国際医療福祉大学三田病院病理診断センター), 渡辺 守(東京医科歯科大学付属病院消化器内科)
抄録 症例は70歳代の男性.2013年2月腸閉塞のため当科外来を緊急受診.腹部骨盤造影CTを施行したところ直腸からS状結腸にかけて不整な壁肥厚と狭窄を認めた.大腸癌を疑い下部消化管内視鏡を施行したところ直腸からS状結腸にかけて易出血性で全周性の浮腫状粘膜と狭窄を認めた.内視鏡の通過は抵抗はあったが可能であった.生検にて低分化腺癌と病理診断され,内視鏡所見と併せて4型大腸癌と診断した.PET-CTでは原発巣以外に肝臓,副腎,骨に異常集積を認め,4型大腸癌の多臓器転移と診断した.原発巣は切除せず,腹腔鏡下回腸人工肛門造設術を施行し化学療法(FOLFOX+bevacizumab)を開始した.最初の1Kurは術後であったためFOLFOXのみの投与とした.3Kur終了後の下部消化管内視鏡で狭窄は改善を認め腸管の伸展も良好となっていた.また生検でも腫瘍細胞は認めなかった.腹部骨盤造影CTでは肝転移と副腎転移の縮小が確認されたためFOLFOX+bevacizumabを継続した.6kur終了後にPET-CTを施行したところ以前に認めていた全ての異常集積が消失しCRと考えられた.腫瘍マーカーは化学療法開始前にCEA:395ng/mlであったのが8Kur終了後に正常化を認めた.症例は現在も再発を認める事なくFOLFOX+bevacizumabを継続している.4型大腸癌は稀な疾患で予後不良とされている.本症例は4型大腸癌の多臓器転移に対する化学療法(FOLFOX+bevacizumab)によりCRが得られた貴重な症例と考えられるため報告する.
索引用語