セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例2

タイトル P-201:

ベバシズマブ+FOLFOXの再燃後に,カペシタビン単独では無効であったが,ベバシズマブ+カペシタビンが有効で長期生存を得た上行結腸癌腹膜播腫,肺転移,肝転移の一例

演者 橋口 陽二郎(帝京大学外科)
共同演者 端山 軍(帝京大学外科), 島田 竜(帝京大学外科), 中村 圭介(帝京大学外科), 塚本 充雄(帝京大学外科), 福島 慶久(帝京大学外科), 赤羽根 拓哉(帝京大学外科), 堀内 敦(帝京大学外科), 山田 英樹(帝京大学外科), 土屋 剛史(帝京大学外科), 藤井 正一(帝京大学外科), 野澤 慶次郎(帝京大学外科), 松田 圭二(帝京大学外科)
抄録 【症例】60代女性.2009年4月,右下腹部痛を主訴に来院.大腸内視鏡検査にて上行結腸癌を認め,生検にてtub2と診断された.両肺野に多発性肺転移を認めた.2009年5月,結腸右半切除術,D3郭清を施行.術中,横行結腸肝彎曲部付近の大網付着部に約1cm大の結節認め,術後病理にて腹膜播種の診断となった.大腸癌取扱い規約第7版による切除標本の病理所見は,33×30mm,2/3周性,type2,adenocarcinoma(tub2)with component of micropapillary carcinoma,SE,int INFb ly1 v2,N3(2/26)H0P1M1,StageIVであった.2009年6月より化学療法としてベバシズマブ(BEV)+mFOLFOX6を開始しPRを得た.12クール施行したところで末梢神経障害高度となり,オキザリプラチン投与を中止し,BEV+LV5FU2に変更.以降,2012年1月まで52クールを施行した.PDとなったため,S-1に変更するも下痢にて中止.カペシタビン(Cape)投与するも無効で肝転移も出現した.そこで,再度BEVを再導入することとし,2012年6月よりBEV+Capeにて治療開始したところ,CEAは96.5ng/mlから19.3ng/mlに低下した.以降約6ヶ月間,CEAは20ng/ml前後に維持された.その後マーカーの上昇認められたため,オキザリプラチンを再導入し,BEV+CapeOXとしたが無効で,2013年9月,初回手術後4年5ヶ月にて肝不全にて死亡した.Kras変異型であったが,抗EGFR薬による皮膚障害,FOLFIRIによる脱毛を懸念して本人が使用を拒否したため,投与しなかった.【考察】BEV+FOLFOXの長期投与後の再燃例に対し,Cape単独では無効であったが,BEVを再導入することによって腫瘍マーカーの顕著な低下と延命を得,良好なQOLが保たれた.患者意志による限られた薬剤選択の中でBEVの長期にわたる有効性(BBP)が示された症例として報告する.
索引用語