セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例2

タイトル P-203:

当院における下部消化管悪性狭窄に対する大腸ステント留置例の検討

演者 篠木 啓(東芝林間病院消化器内科)
共同演者 大岡 正平(北里大学病院消化器内科), 青木 いづみ(東芝林間病院消化器内科), 金 明哲(東芝林間病院消化器内科), 林田 浩明(東芝林間病院消化器内科)
抄録 大腸において悪性狭窄に対しSelf-Expandable Metalic Stent(SEMS)留置術の有用性は以前より報告されていた.2012年1月より大腸用SEMSが本邦で保険適応となった.当院では2012年6月より2013年9月までに9症例に対しSEMS留置術を10回施行し全例手技に係る合併症なく留置可能であった.【目的】当院において,緩和的外科治療が困難あるいは他の治療法では効果が期待できない患者における姑息的治療目的にSEMS留置術を行った5症例につき臨床病理学的背景,及び治療成績を検討する.【方法】2012年6月から2013年9月までに姑息的治療目的にSEMSを留置した5症例につき患者背景,原疾患,狭窄部位,有効性,偶発症などについて検討する.【結果】平均観察期間は56.8日(range8-120),平均年齢は83.4歳(range76-100).性別は男/女:1/4例.狭窄部位は下行結腸2例,S状結腸2例,直腸1例,狭窄長は平均28mm(range25-45),併存疾患は寝たきり2例,認知症2例,膵癌1例であった.手技に伴う合併症は1例も認めず平均手技時間は22.5分(range11-35)であった.ステント開存期間は平均で45.5日(range8-120)であった.1例に術後55日目にステント内への腫瘍浸潤を認めstent in stentを行った.27日後再度狭窄を呈し経肛門的にイレウス管を挿入した.【結論】下部消化管悪性狭窄に対する大腸イレウス解除のために姑息的にSEMSを留置することは比較的安全な処置であることが示唆された.更なる症例の蓄積と長期の経過観察が必要と考えられた.
索引用語