セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例3

タイトル P-204:

繰り返す腸閉塞を契機に発見した虫垂原発杯細胞カルチノイドの2例

演者 荒尾 真道(西神戸医療センター消化器内科)
共同演者 徳永 英里(西神戸医療センター消化器内科), 隅野 有香(西神戸医療センター消化器内科), 吉田 裕幸(西神戸医療センター消化器内科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター消化器内科), 荒木 理(西神戸医療センター消化器内科), 津田 朋広(西神戸医療センター消化器内科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター消化器内科), 安達 神奈(西神戸医療センター消化器内科), 島田 友香里(西神戸医療センター消化器内科), 林 幹人(西神戸医療センター消化器内科), 井谷 智尚(西神戸医療センター消化器内科), 三村 純(西神戸医療センター消化器内科), 橋本 公夫(西神戸医療センター病理科)
抄録 【症例1】35歳女性【現病歴】19歳から小腸・大腸クローン病のため当院で加療していた.腹痛を主訴に当院受診し,精査の結果腸閉塞と診断し保存的加療を行った.その後5か月間で4回腸閉塞を繰り返したため外科的治療を行った.開腹時回盲部を首座とする腫瘍を認め,腫瘍の右卵巣浸潤及び腹膜播種もみられたため,右半結腸切除術及び右卵巣合併切除術を行った.病理組織学的には虫垂を中心に細胞内に大量の粘液が詰まった腫瘍細胞がみられ,免疫染色でsynaptophysin・chromograninAが陽性,CD56が陰性だった.術後化学療法を行ったが,胸膜転移を認め胸腹水が出現とともに次第に全身状態が悪化し,術後3年後に永眠した.【症例2】60歳女性【現病歴】腹痛を主訴に当院を受診し,腸閉塞と診断し保存的加療を行った.症状軽快したが,退院2週間後に腹痛が再燃し腸閉塞の再発と診断した.炎症反応・腫瘍マーカーともには正常範囲内だった.下部消化管内視鏡検査では回盲弁での狭窄が著明でスコープを終末回腸へ挿入できなかった.診断・治療目的に回盲部切除術を行った.手術時,虫垂の腫大がみられたが,回腸や盲腸に腫瘤は認めなかった.病理組織学的には虫垂全体と盲腸・上行結腸の一部・終末回腸にまで細胞内に大量の粘液が詰まった腫瘍細胞の集簇がみられ,免疫染色でsynaptophysin・chromograninA・CD56が陽性だった.術後,補助化学療法を行った.【結語】虫垂杯細胞カルチノイドは比較的稀な疾患であり,杯細胞カルチノイドはWHO2010の分類では膵・消化管神経内分泌腫瘍の1つである混合型腺神経内分泌癌の1つとされている.当院で経験した杯細胞カルチノイドの2例について文献的考察を加え報告する.
索引用語