セッション情報 ポスター

大腸 IBD 症例1

タイトル P-210:

当院における潰瘍性大腸炎の患者・臨床背景の検討

演者 池淵 雄一郎(鳥取大学機能病態内科学)
共同演者 八島 一夫(鳥取大学機能病態内科学), 斧山 巧(鳥取大学機能病態内科学), 川田 壮一郎(鳥取大学機能病態内科学), 澤田 慎太郎(鳥取大学機能病態内科学), 山本 宗平(鳥取大学機能病態内科学), 今本 龍(鳥取大学機能病態内科学), 安部 良(鳥取大学機能病態内科学), 松本 和也(鳥取大学機能病態内科学), 河口 剛一郎(鳥取大学機能病態内科学), 原田 賢一(鳥取大学機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学機能病態内科学)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎治療では従来の治療に加え免疫調整薬,抗TNFα抗体製剤が加わり多様化している.このような状況下で当院での潰瘍性大腸炎(UC)の病状・治療内容の現状を検討した.【方法】現在治療中の59症例について患者背景(性別,発症年齢,罹病期間,病型,生活歴など)・治療内容(整腸剤,5-ASA製剤,ステロイド,免疫調整薬,血球成分除去療法,インフリキシマブ(IFX)など)を検討項目とした.【結果】患者背景:59例中,男性27例,女性32例,発症時平均年齢は36.1歳であった.平均罹病期間は9.5年,現在年齢平均は46歳であった.病型は直腸炎型36%,左側大腸炎型22%,全大腸炎型31%,大腸全摘例が9%(pouchitis:5%)であった.生活歴では飲酒歴31%,喫煙歴14%で,家族歴ではIBD家族歴を7%に認めた.大腸全摘症例はいずれもIFX保険適応前の症例で,近年は手術例を認めていない.Clinical activity index(CAI;Lichtiger index)は外来通院中患者が主であり比較的良好例が多く,3点以下が78%であった.治療内容:全体で5-ASA製剤80%,ステロイド使用(注腸含む)29%,免疫調整薬24%,IFX10%に使用されていた(重複含む).各病型別に治療内容を比較すると,直腸炎型に比べて,左側大腸炎型,全大腸炎型ではステロイド,免疫調整薬,IFXの併用を多く認めた.直腸炎型ではIFX使用例を認めていない.治療内容別に比較すると,5-ASA製剤のみで治療した症例は直腸炎型が多く,発病年齢が高齢であった.またCAI3点以下の症例が85%と安定した症例を多く認めた.免疫調整薬やIFX使用例ではステロイド併用例を半数に認めた.またIFX使用例の67%に免疫調節薬併用を認めた.IFX使用例はCAI3以下の症例が33%と少なく,効果減弱例を認めている.【結語】当院におけるUCの患者背景・治療内容の現状を報告した.今後もエビデンス・患者背景に基づいた治療法の適正化は必要と考えられた.
索引用語