セッション情報 | ポスター大腸 IBD 症例1 |
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タイトル | P-211:当科での難治性潰瘍性大腸炎におけるタクロリムス及びインフリキシマブによる治療成績の検討 |
演者 | 榊原 祐子(大阪医療センター消化器科) |
共同演者 | 福富 啓祐(大阪医療センター消化器科), 日比野 賢嗣(大阪医療センター消化器科), 杉本 彩(大阪医療センター消化器科), 木村 圭一(大阪医療センター消化器科), 坂根 貞嗣(大阪医療センター消化器科), 田村 猛(大阪医療センター消化器科), 岩崎 竜一朗(大阪医療センター消化器科), 岩崎 哲也(大阪医療センター消化器科), 長谷川 裕子(大阪医療センター消化器科), 山田 拓哉(大阪医療センター消化器科), 中水流 正一(大阪医療センター消化器科), 外山 隆(大阪医療センター消化器科), 石田 永(大阪医療センター消化器科), 三田 英治(大阪医療センター消化器科) |
抄録 | 【背景・目的】潰瘍性大腸炎(UC)難治例に対して,タクロリムスやインフリキシマブが適応追加され,難治性UCに対する有用性が認められている.今回,当科での難治性UCに対するタクロリムス及びインフリキシマブの治療効果を検討し報告する.【対象と方法】対象は2009年7月~2013年8月までに当院でタクロリムス,インフリキシマブの投与を受けた難治性UC14例である.治療効果については,Lichtiger indexをもとにretrospectiveに解析し,Lichtiger index≦4を寛解とした.【結果】14例中6例がタクロリムス,8例がインフリキシマブで初回治療をうけており,治療開始前のLichtiger indexの平均はタクロリムス例で11.5点,インフリキシマブ例で9点と,タクロリムスはより重症例に用いられていた.タクロリムス初回治療6例では,3例(50%)が治療開始後寛解導入をえられたが,2例については腎障害にて中止となった.残る1例については,目標トラフ濃度への到達が困難であり,治療開始後1ヶ月の時点で寛解導入にはいたっていない.インフリキシマブ初回治療8例では,6例(75%)で寛解導入がえられたが,1例については間質性肺炎にて中止となり,残る1例は肝障害を認めたため,アダリムマブに変更し治療中である.寛解維持に関しては,タクロリムスで寛解導入できた3例中2例はアザチオプリンに移行し3例とも寛解維持しているが,インフリキシマブ例では寛解維持は3例(50%)であった.【結語】難治性UCにおいてタクロリムスやインフリキシマブは有用な治療法である.タクロリムスは早期に有効なトラフ値に達することが必要であるが,副作用率も考慮すると慎重な経過観察が必要である.インフリキシマブは高い寛解導入効果を有するが,半数に効果減弱がみられることから,今後維持療法についての検討が必要と考えられた. |
索引用語 |