セッション情報 | ポスター大腸 IBD 症例1 |
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タイトル | P-213:発症早期に外科的手術に至った小児発症の潰瘍性大腸炎の女児2例 |
演者 | 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
共同演者 | 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 上原 なつみ(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 鈴木 翔(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 竹田 幸子(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 坂口 舞(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 橋本 神奈(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 原田 拓(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 田原 良博(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土屋 和代(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学), 池田 拓人(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学), 佛坂 正幸(潤和会記念病院外科), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
抄録 | 近年,成人同様に小児においても潰瘍性大腸炎(UC)は増加している.小児は重症例が多いとされるが,発症後早期に手術を要する例は比較的稀である.今回9歳・18歳で発症し,内科的治療で一旦は寛解したが短期間で再燃し,強力な治療を行うも早期に手術に至った小児UCの2例を経験したので報告する.【症例1】9歳女児.血便で発症し感染性腸炎として加療されるも改善せず,24病日にCSでUCと診断.5-ASAとPSLを開始されたが寛解せず当科紹介され,40病日にインフリキシマブ(IFX)を導入し症状は改善.しかし50病日に再燃,IFX継続するも改善せず,79病日よりタクロリムス(TAC)を開始したが,寛解せず114病日に外科的手術に至った.【症例2】18歳女児.水様下痢,発熱,腹痛,顕血便を認め16病日のCSでUCと診断.5-ASA,PSLを開始されたが,21病日のCSで小潰瘍が残存しており,28病日よりLCAPを5回施行した.44病日のCSで潰瘍は瘢痕化していたが,66病日に38度の発熱,水様下痢が出現し,73病日のCSでは右側結腸に深掘れ潰瘍が多発していた.このためIFXを導入し炎症反応は改善するも発熱,腹痛,血便も増悪.80病日にTACを開始したが改善せず,90病日にシクロスポリンに変更するも発熱,血便は変化なく95病日に外科的手術に至った.【考察】小児のUCでは発症時から短期間で病変が広範化,重症化しやすく成人よりも早期から積極的な治療を要する場合が多い.今回の2症例も重症で発症し,一旦は寛解したが短期間に著明に増悪し,強力な内科的治療でも寛解導入できず,発症後100日程度で手術に至った.内科的治療が長引くことが特に小児では低栄養や成長障害などにつながる可能性があり,常に手術を考慮しながら治療にあたることが重要と考えられた. |
索引用語 |