セッション情報 ポスター

大腸 IBD 症例2

タイトル P-216:

強直性脊椎炎を合併したクローン病の2例

演者 渡邉 雄介(済生会新潟第二病院消化器内科)
共同演者 阿部 聡司(済生会新潟第二病院消化器内科), 長島 藍子(新潟大学消化器内科), 橋本 哲(新潟大学消化器内科), 本間 照(済生会新潟第二病院消化器内科), 横山 純二(新潟大学消化器内科), 岩永 明人(済生会新潟第二病院消化器内科), 関 慶一(済生会新潟第二病院消化器内科), 石川 達(済生会新潟第二病院消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院消化器内科), 青柳 豊(新潟大学消化器内科)
抄録 強直性脊椎炎は本邦では頻度が少なく,慢性関節リウマチや腰痛症や坐骨神経痛などと判断され確定診断が遅れることもあるといわれている.炎症性腸疾患には様々な腸管外合併症が知られているが,脊椎関節炎も1~6%に合併すると報告されている.【症例1】71歳,男性.主訴は頚の回転しにくさ,うなづきにくさ,腰痛.腸管病変は57歳時,腹痛,血便で発症,回盲弁は破壊され一部結節状隆起を伴って狭窄していた.CRPは3~10と常に陽性であったが自覚症状なく3年後通院を自己中断.65歳頃から頚のまわしにくさ,うなづきにくさが出現した.70歳,血便と貧血で入院.仰臥位は腰痛が出現するため長時間できず,すぐに側臥位をとってしまう.CT,MRIで強直性脊椎炎,仙腸関節炎と診断された.6MP+IFXを導入し炎症反応は陰性化し,IFX5回投与後現在,関節症状はやや軽快傾向にある.【症例2】37歳,男性.主訴は腰痛,腰の屈曲障害.腸管病変は28歳時,心窩部痛と10kgの体重減少で発症,腹腔内膿瘍を伴う小腸狭窄を認めた.回盲部の潰瘍,polypoid病変の生検から非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が検出されクローン病と診断した.その後ステロイドと栄養療法を継続し無症状であったがCRP≧3が続いていた.30歳,腰痛出現しCTで強直性脊椎炎と診断された.1年後6MP+IFX投与したところ症状,炎症反応とも消失した.IFXは3回で終了,6MPは50mgを継続中である.【考察】炎症性腸疾患には腸管外合併症として,強直性脊椎炎,仙腸関節炎を来たすものがあり,注意深い診察が重要である.IFXは強直性脊椎炎に対しても有効であるが,投与のタイミングが早ければ,より高い有効性が期待される.
索引用語