セッション情報 ポスター

大腸 IBD 症例2

タイトル P-218:

潰瘍性大腸炎を合併した家族性大腸腺腫症の一例

演者 加藤 正樹(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 山下 真幸(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 佐藤 望(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 池田 佳子(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 石郷岡 晋也(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 小澤 俊一郎(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 細谷 浩介(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 松尾 康正(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 前畑 忠輝(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 藤野 節(聖マリアンナ医科大学診断病理学), 山本 博幸(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 高木 正之(聖マリアンナ医科大学診断病理学), 安田 宏(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【症例】46歳 女性【主訴】下痢,血便【現病歴】1992年に近医にて不完全型ベーチェット病と診断され,コルヒチンとプレドニゾロン(PSL)の投与を受けていた.2001年から下痢が出現し非特異的大腸炎と診断され5-ASAが開始された.2004年から当院通院され,下部消化管内視鏡(CS)で大腸に散見される炎症粘膜と多発大腸腺腫,終末回腸に打ち抜き潰瘍を認めたため腸管型ベーチェット病の診断でPSLによる加療が再開された.大腸腺腫に対しては5病変(計3回)の内視鏡的切除が行われた.2010年に上部消化管内視鏡(EGD)で多発胃底腺ポリープと多発十二指腸腺腫を認めた.CSも施行されたが腸炎に対する鑑別は困難であり,症状に伴いPSLの増減を繰り返していた.PSL減量に伴い2013年7月に発熱,血便,頻回下痢を認めたため精査加療目的に入院となった.【既往歴】うつ病【家族歴】母:直腸癌,姉:ベーチェット病【入院後経過】入院後CS施行し,直腸から横行結腸まで連続性に膿性粘液の付着を伴う,発赤浮腫状の細顆粒状粘膜を認め,生検結果からも潰瘍性大腸炎(UC)に矛盾しない所見であった.また,入院直前に施行したEGDで十二指腸乳頭部にも腺腫を認めていた.母親が直腸癌であること,多発胃底腺ポリープと多発十二指腸腺腫(特に乳頭部),多発大腸腺腫を有していることから家族性大腸腺腫症(FAP)を疑いAPC遺伝子検査を行った.ステロイド依存性難治性UCであり,FAPが疑われる病態から患者と相談の上,外科的手術の方針となった.入院第30病日に腹腔鏡下結腸全摘術+回腸人工肛門造設術を施行した.手術検体でも潰瘍性大腸炎に矛盾なく,大腸にlow grade dysplasia/adenomaが認められた.APC遺伝子検査では「exon 15 codon 1068,deletion TCAA」を認め,臨床背景からもattenuated FAPと診断した.【結語】UCを合併したFAPの一例を経験したので報告する.
索引用語