セッション情報 ポスター

大腸 その他

タイトル P-221:

当院における成人腸重積症の臨床的検討

演者 圓谷 朗雄(富山赤十字病院内科)
共同演者 植田 優子(富山赤十字病院内科), 品川 和子(富山赤十字病院内科), 小川 加奈子(富山赤十字病院内科), 時光 善温(富山赤十字病院内科), 岡田 和彦(富山赤十字病院内科), 棚田 安子(富山赤十字病院外科), 辻 敏克(富山赤十字病院外科), 羽田 匡宏(富山赤十字病院外科), 竹原 朗(富山赤十字病院外科), 野崎 善成(富山赤十字病院外科), 芝原 一繁(富山赤十字病院外科), 佐々木 正寿(富山赤十字病院外科)
抄録 【目的】成人腸重積症は比較的稀な疾患である.腫瘍などの器質的疾患に起因し手術を要することが多いが,実際には手術が不要であった症例もしばしば経験する.今回,当院で経験した成人腸重積症の臨床的特徴を検討した.【対象と方法】2004年1月から2013年5月までに腸重積症と診断された15歳以上の26例を対象とし,患者背景,臨床症状,重積型,原因,治療法を検討した.【結果】年齢中央値は67歳(15-101),男/女は13/13,重積型はcolo-colic 14例,entero-enteric 6例,ileo-colic 6例であった.腹痛を15例(57%),血便4例を(15%)で認めたが,症状は多彩であった.腸管虚血を1例で認めた.原因は大腸腫瘍(大腸癌,悪性リンパ腫)15例,特発性3例,小腸腫瘍2例,細菌性腸炎(O-157,カンピロバクター)2例,メッケル憩室1例,その他3例であった.21例(80%)で手術が行われ,そのうち緊急手術は6例であった.先進部に腫瘤を認めなかった5例(特発性3例,腸炎2例)に限ってみると年齢中央値は30歳(15-65)と若く,男/女は4/1,腹痛を全例で認めた.腸炎2例で下痢を伴っていた.腸管虚血は全例で認めなかった.重積型はileo-colic 3例,colo-colic 2例であり,すべて右側結腸の腸重積であった.治療は内視鏡的整復3例,緊急手術1例,保存的加療(絶食管理)1例であった.【結論】当院における成人腸重積症の6割以上は腫瘍が原因であり,手術が行われた.先進部に腫瘤を認めなかった症例はすべて右側結腸の腸重積であり,右側結腸における腸重積は,特発性腸重積症の可能性も考慮し,治療方針の決定には注意が必要であると考えられた.
索引用語