セッション情報 ポスター

C型肝炎 テラプレビル

タイトル P-224:

テラプレビル3剤併用療法における非SVR症例の検討

演者 渡辺 大亮(能代山本医師会病院消化器科)
共同演者 後藤 隆(秋田大学医学部消化器内科学分野), 住吉 明子(能代山本医師会病院消化器科), 瀬川 大輔(瀬川医院), 安次嶺 拓馬(大館市立扇田病院), 守時 由起(秋田大学医学部付属病院医師総合支援センター)
抄録 【目的】テラプレビル3剤併用療法(以下3剤併用療法と略す)は,従来の治療と比較し,高いSVR率が得られている.当院での3剤併用療法におけるSVR率は全体で87%(26/30),65才未満に限ると93%(13/14)と高率であった.今回我々は,3剤併用療法をもってしてもSVRに至らなかった4症例(以下非SVRと略す)を患者側因子,ウイルス側因子両面から,SVR症例と比較検討したので報告する.【方法】2011年12月より当院にて3剤併用療法を施行した30例(男/女:13/17)を対象とした.SVR群26例,非SVR群4例の2群において治療抵抗因子(治療歴,IL28B(SNPs),HOMA-IR,Core領域aa70/aa91変異,NS5A変異,血小板など計7項目),薬剤アドヒアランスなどを用い比較検討した.治療無効例は無かった.患者背景は年齢65.7才(52-76),HCV-RNA量6.4Log IU/L(5.0-7.2),治療歴:初回/再燃/無効14/4/12例,IL28B TT/TG 19/11例,core領域aa70/91 wild/mutant15/15,16/14例,NS5A 1以上/011/19例,HOMA-IR 2.6(0.4-8.0)である.【結果】投与開始2週目以内のウイルス陰性化率はSVR群47%(12/26),非SVR群0%(0/4),投与開始4週目以内のウイルス陰性化率はSVR群88%(23/26),非SVR群100%(4/4)であった.治療抵抗因子の総数は,SVR群で3.2項目であったのに対し,非SVR群は全例5項目以上で6.0項目であった.薬剤アドヒアランスでは薬剤総投与量において両群で有意差を認めなかった.薬剤休薬・中止率では両群で有意差は認めなかったがSVR/非SVR:RBV(20%/25%),SVR/非SVR:TRV(29%/66%)とSVR群で低くかった.【結論】3剤併用療法において,治療開始2週目以内でのウイルスの陰性化を目指し,投与薬剤の休薬・中止率を低く保つことが,SVR率を高くすると思われた.しかしながら治療抵抗因子を多数伴う場合,SVRを得られる可能性が低いため,次世代の抗ウイルス療法の登場を待つことが望ましいと思われた.
索引用語