セッション情報 ポスター

C型肝炎 テラプレビル

タイトル P-225:

C型慢性肝炎Na?ve症例に対するTelaprevir+Peginterferon+Ribavirin3剤療法の治療成績

演者 安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
共同演者 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 厚川 正則(日本医科大学北総病院消化器内科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター臨床医学研究所), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】Genotype 1b高ウイルス量C型慢性肝炎に対するTelaprevir+Peginterferon+Ribavirin 3剤併用療法の治療効果予測には過去のPeginterferon+Ribavirin 2剤併用療法の治療反応が重要であるが,治療歴のないNa?ve症例の治療効果予測に寄与する因子の検討は十分ではない.【目的】C型慢性肝炎Na?ve症例に対する3剤療法の治療効果予測に寄与する因子を検討する.【方法】Genotype 1b高ウイルス量のC型慢性肝炎で,3剤併用療法(3剤12週後Peginterferon+Ribavirin 2剤併用12週;T12PR24)の4週目の治療効果が判定できた211症例のうち,IL28B(rs8099917)の遺伝子多型,2剤併用療法での治療効果予測に重要なCore70変異とISDR変異数を測定したNa?ve 101例(54.8±11.2歳,男:女性=51:50,HCV RNA量6.55±0.84 log IU/mL)について,治療開始4週目HCV RNA陰性化(RVR),治療終了24週後HCV RNA陰性化(SVR)に寄与する因子について検討した.【結果】RVRは79例(78.2%)で達成され,非RVR群との比較では単変量解析で低ウイルス量のみがRVRに寄与因子であった(p=0.020).SVR判定が可能な62例中54例(87.1%)でSVRが達成された.治療前因子では,単変量解析でIL28B TT genotype(p=0.003),低γGT値(p=0.088),Albumin高値(p=0.056),AFP低値(p=0.067)がSVR達成に関与し,多変量解析ではIL28B TT genotypeのみが独立した因子として抽出された.しかし,Core70変異,ISDR変異数はRVR,SVR達成のいずれにも関連を認めなかった.また,治療開始後因子であるRVR達成率はSVR群で有意に高かった(83.8% vs. 37.5%,p=0.015).【結論】Na?ve症例の3剤併用療法におけるSVR達成には,Core70変異およびISDR変異数の関与は小さく,IL28B genotypeと早期治療効果が重要であることが示唆された.
索引用語