セッション情報 ポスター

肝 その他1

タイトル P-231:

術前診断が困難であった腹腔内腫瘤の一例

演者 水島 麻依子(京都民医連中央病院消化器内科)
共同演者 木下 公史(京都民医連中央病院消化器内科), 田中 憲明(京都民医連中央病院消化器内科), 西田 修(京都民医連中央病院消化器内科), 岡本 亮(京都民医連中央病院外科)
抄録 【目的】術前診断が困難であった腹腔内腫瘤の症例を経験したので報告する【症例】70歳台 男性【主訴】肝機能障害【現病歴】受診3年ほど前より健診で軽度の肝障害を指摘されていた.持続するため消化器内科紹介となった.【経過】腹部超音波検査では脂肪肝と肝内石灰化のみの所見であったが,腹部造影CTで肝S2と胃前庭部後壁の間に径20mm程度の多血性腫瘍を認めた.造影早期相で濃染され,栄養血管は左肝動脈からの肝外分枝が考えられたため,肝腫瘍もしくは動脈瘤を考えた.診断目的に腹部血管造影検査を施行したところ,動脈瘤は否定的であり,肝S2から突出する肝細胞癌もしくはFNHを考えた.造影MRIでも同様の所見であったが,超音波内視鏡検査では腫瘍と肝臓は接してはいるが肝臓由来でないと診断された.診断も兼ねてtotal biopsyを行うこととなった.【結果】腹腔鏡で腫瘍を観察したところ,胃の小弯側に腫瘤を認め,肝臓,胃とは離れており,小網内に巻きつくように存在し,栄養血管は左肝動脈肝外枝であった.腫瘍摘出術を行い組織学的に評価したところ,腫瘍成分は認めず副脾の診断となった.複数のモダリティを用いたが術前診断が困難であり,また小網内の副脾の報告はまれであるため報告する.
索引用語