セッション情報 |
ポスター
肝 その他2
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タイトル |
P-232:肝臓病教室における情報提供の効果と意義に関する検討
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演者 |
片山 和宏(大阪府立成人病センター肝胆膵内科) |
共同演者 |
石原 朗雄(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 木村 治紀(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 今中 和穗(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 榊原 充(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 宮崎 昌典(大阪府立成人病センター肝胆膵内科) |
抄録 |
【目的】医学の進歩により,病気の診断や治療に必要な情報量もかなり増えてきており,医療効率を上げるためには,患者の十分な理解が必要である.そのため,患者対象の肝臓病教室や市民公開講座が行われているが,その効果を検討したものは少ない.それらの効果を明らかにすることを目的とした.【方法】2012年度に当院で3回行った肝臓病教室に参加したのべ80名の患者およびその家族を対象に,以下のアンケート調査を行った.肝臓癌の予防法,治療法,C型肝炎における鉄代謝異常に対する治療,BCAA製剤の意義,分子標的治療薬の効果と副作用対策の5項目について4段階評価(0:全く理解できず,1:あまり理解できず,2:ほぼ理解,3:よく理解)してもらうとともに,肝臓癌治療が必要と言われた際の不安度も4段階評価(0:強い不安,1:どちらとも言えない,2:気持ちのコントロール可,3:治療意欲が勝る)で答えてもらった.これらの結果と肝臓病教室や市民公開講座の経験回数やグループワーク経験回数との関連を検討した.【成績】肝細胞癌の予防の理解度は,経験無し,1-2回,3回以上で比較すると0.8±0.7,1.3±0.7,2.1±0.6と有意に(p<0.0001)上昇した.肝細胞癌治療(p=0.0388),鉄代謝異常対策(p=0.0021),BCAAの意義(p<0.0001)についても,参加回数が多い程有意に理解度が改善し,いずれも3回以上の群でスコア平均が2に達していた.分子標的薬については,回数とともに改善傾向が見られるものの(p=0.1980),3回以上の群でも,平均スコアは1.4±1.3と2以下であった.グループワークは,参加経験が無い群では,1回以上参加群に比し,スコア0~1の不安を示す割合が多い傾向を示した(13/34対4/24,p=0.0689 chi-square).【結論】患者への情報提供の効果は,項目や回数により異なるが,多くは回数とともに上がるため,複数回の情報提供が有効である.またグループワークは,患者の不安を軽減させる可能性が示唆された. |
索引用語 |
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