セッション情報 | ポスター肝 その他2 |
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タイトル | P-234:抗ミトコンドリア抗体陰性,抗核抗体陽性(discrete pattern)の原発性胆汁性肝硬変の3例 |
演者 | 神野 正智(足柄上病院消化器内科) |
共同演者 | 国司 洋佑(足柄上病院消化器内科), 中尾 聡(足柄上病院消化器内科), 岩田 悠里(足柄上病院消化器内科), 松林 真央(足柄上病院消化器内科), 小野 嘉文(足柄上病院消化器内科), 吉江 浩一郎(足柄上病院消化器内科), 加藤 佳央(足柄上病院消化器内科) |
抄録 | 【症例】症例1は77歳女性.全身掻痒感で皮膚科受診,血液検査で肝胆道系酵素上昇と抗核抗体(ANA)上昇を認めたため当院受診となった.抗ミトコンドリア抗体(AMA,抗M2抗体)は陰性であったが,ANA陽性(discrete pattern,1280倍以上)であった.肝生検で慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)の所見を認め原発性胆汁性肝硬変(PBC)と診断した.UDCA 600mg/day投与開始し症状の改善を得た.症例2は69歳女性.腹水貯留・貧血を主訴に来院した.腹水検査,画像検査から肝硬変による門脈圧亢進症が疑われた.AMA,抗M2抗体は陰性でANA陽性(discrete pattern,1280倍以上)であった.肝生検でCNSDCの所見を認めPBCと診断した.診断後も腹水貯留による入退院を繰り返している.症例3は83歳女性.貧血および両側下腿浮腫精査のため来院.AMA,抗M2抗体は陰性,ANA(discrete pattern)が陽性(1280倍以上)であった.腹水が多く肝生検が施行できなかったが,腹水検査と画像検査で肝硬変による門脈圧亢進症が疑われ,胆汁鬱滞型肝障害を認め,PBCを強く疑った.診断後も胸水貯留による入退院を繰り返している.今回3例においてはいずれもCREST症候群の合併を認めなかった.【考察】ANA(discrete pattern)は抗セントロメア抗体としても知られ,CREST症候群に特異性が高いとされるがPBCにおいても20~30%で検出される.ANA陽性PBCはAMAが陰性の場合が多く,予後は良いとされるが,門脈圧亢進症を呈し易い.今回の2例は門脈圧亢進症状が病院受診の契機となっておりこれを支持する経過であった.AMA陰性PBCにおいては肝生検が診断に必須とされるが,ANA陽性AMA陰性PBCは門脈圧亢進による腹水を伴うことも多く,肝生検が施行できない場合は臨床的に判断すべきである.【結語】肝障害患者においてANAが陽性の場合は自己免疫性肝炎(AIH)を第一に疑うが,discrete patternであった場合はPBCを想起することが肝要と考えられた. |
索引用語 |