セッション情報 |
ポスター
肝 その他2
|
タイトル |
P-235:肝生検が有用であったバセドウ病を合併した肝機能障害についての検討
|
演者 |
石川 昌利(医真会八尾総合病院消化器内科) |
共同演者 |
古川 政統(医真会八尾総合病院消化器内科), 金 賢一(医真会八尾総合病院消化器内科), 多田 和弘(医真会八尾総合病院消化器内科), 鶴薗 卓也(医真会八尾総合病院消化器内科), 松村 吉庸(医真会八尾総合病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンの過剰分泌により生体内代謝が亢進し,主として肝の循環障害や代謝障害によって肝障害が発症すると考えられてきた.しかしまれではあるがBasedow病に合併したAIHの報告もある.今回Basedow病を合併した肝機能障害において,AIH合併との鑑別及び治療方針の決定に肝生検が有用であった症例を経験したので文献的考察も加え報告する.【症例】67歳,女性【主訴】倦怠感【現病歴】当院の肥満外来に定期通院し食事運動療法の指導を受けていた.2013年5月初旬より全身倦怠感を自覚され経過をみていたが改善がなく当科を受診.同日の採血検査でAST:1081 IU/l,ALT:1483 IU/l,T-Bil:15.7 mg/dl,PT:40.8%と高度の肝障害を認めた為,精査加療目的で当科に入院.【経過】2013年3月の採血では肝障害はなく,画像検査でも胆道系に異常所見は認めず.連日のSNMC:80mlの投与,血漿交換(PE)を3日間行い第5病日の採血でAST/ALT:530/515IU/lまで改善したがT-Bil:10.2mg/dlと依然高値を示した.TSHは測定感度未満,FT3,FT4は共に高値,TSAb陽性とBasedow病を合併していた.膠原膠質反応が高値,ALT優位の肝機能障害,IgG値が2042mg/dl,ANAが160倍と高値であった事からAIHの合併を疑い第7病日にエコーガイド下肝生検を施行.病理組織学的所見にてAIHに矛盾しない肝組織像を呈し,国際診断基準ではAIH scoreは治療前で18点(従来型)(簡易型:7)と確診例でありBasedow病に合併したAIHと診断.第8病日よりPSL:60mg/日を開始.良好な反応を示しその後の肝機能は改善傾向にある.現在PSL:30mg/日まで減量しT-Bil:1.7mg/dl,PT:65.3%まで改善している.【結論】Basedow病に肝障害を合併した症例を経験した.Basedw病にAIHが合併した報告例は少ないが自験例では確診であった.AIH scoreで疑診以上のBasedow病の診断及び治療方針決定の際,臨床的特徴と病理組織学的所見を十分に勘案して診断する事が重要であると考えられる. |
索引用語 |
|