セッション情報 |
ポスター
HBV
|
タイトル |
P-237:B型肝炎の治療―B型慢性肝炎における核酸アナログ中止症例の検討
|
演者 |
長田 成彦(東海大学付属大磯病院) |
共同演者 |
加川 建弘(東海大学医学部内科学系消化器内科), 峯 徹哉(東海大学医学部内科学系消化器内科) |
抄録 |
【目的】核酸アナログ製剤(NA)はB型慢性肝炎のコントロールを可能にしたが中止する明確な基準がない.NAを投与した患者の長期予後,「薬剤の中止が可能となる症例」の特徴を明らかにする目的で一定の基準を満たした症例でNAを中止し,再燃の有無を解析した.【方法】対象は99年12月~12年6月に当院でNAが投与されたB型慢性肝炎症例.eAg(-)患者では6ヶ月以上,HBV-DNA<2.6 Log copy/mLが持続,eAg(+)患者では6ヶ月以上,seroconversionとHBV-DNA<2.6が持続した場合を中止基準とし,基準を満たした場合,原則的にNAを中止した.ALTが正常の2倍以上,あるいは,HBV-DNA 5以上が少なくとも2回以上持続した場合,再燃と判断.中止基準を満たす症例,再燃しない症例の特徴をNA開始時の背景因子から解析.【成績】内訳はeAg(-)39例(ラミブジン25例,エンテカビル14例)eAg(+)55例,(ラミブジン38例,エンテカビル17例)観察期間は96ヶ月.eAg(-)で中止基準を満たしたのは37例(95%).実際に中止した22例のうち,再燃しなかった症例は12例(55%).残りの10例は中止後再燃,4例は鎮静化し,drug-free.eAg(+)で中止基準を満たしたのは15例(27%).実際に中止した10例のうち,再燃しなかった症例は6例(60%).残りの4例は中止後再燃したが,2例は鎮静化し,drug-free.drug-freeとなった症例はeAg(-)で16例(41%),eAg(+)で8例(15%)で,eAg(-)群で有意に多かった.中止基準を満たす症例はNA開始時HBV-DNA量が少ない症例で有意に多く,非再燃例はALT高値例で有意に多かった.HBsAg陰性化は7例(7%,年率0.9%)(eAg(-)5例,eAg(+)2例),発癌は4例(4%,年率0.5%)(eAg(-)1例,eAg(+)3例)に認められ,肝関連死(HCC)は1例であった(1%).【結論】NA治療を行ったB型慢性肝炎症例では発癌が少なく,良好な予後が得られた.NA開始後,drug-freeとなる症例の割合はeAg(-)で41%,eAg(+)で15%で,eAg(+)においてはdrug-freeに持ち込むことが困難であった. |
索引用語 |
|