セッション情報 | ポスターHBV |
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タイトル | P-239:日本国内で発生したB型肝炎ウイルスB4型急性肝炎の1例 |
演者 | 村中 絵美里(金沢医科大学氷見市民病院総合診療科) |
共同演者 | 野尻 正史(金沢医科大学大学院医学研究科), 浦島 左千夫(金沢医科大学氷見市民病院消化器内科), 神田 享勉(金沢医科大学氷見市民病院総合診療科), 佐藤 幸浩(かみいち総合病院内科), 岡本 宏明(自治医科大学医学部感染・免疫学講座ウイルス学部門) |
抄録 | 症例は44歳,日本人男性.2年前にHBV無症候性キャリアのベトナム人女性と結婚.皮膚の著明な黄染を主訴に2013年5月中旬に受診した.初診時の生化学検査値は,AST 815 IU/L,ALT 1,686 IU/L,ALP 550 IU/L,γ-GTP 100 IU/L,T-Bil 8.49 mg/dLといずれも高値を示し,即日入院となった.HBs抗原およびHBe抗原陽性,HBV-DNAはリアルタイムPCR法(TaqMan PCR)で6.0 LC/mLと高力価陽性であった.IgM-HBc抗体陽性からHBVによる急性肝炎と診断した.GenotypeはEIAキット(イムニス(R)HBVゲノタイプEIA)では判定できず,PCR-invader法でBa型と判明した.入院14日目にT-Bil 29 mg/dLとピーク値を示した後,肝機能値は保存治療のみで改善傾向を認め,入院から92日目に正常化を確認した. 夫および妻の血清から分離されたHBVに関して全塩基配列を決定したところ,両者は100%の一致率を示し,妻が感染源であることが強く示唆された.また,subgenotypeはこれまでベトナムやカンボジアで分離されているB4型に属することが判明した. Pre-S2領域のアミノ酸配列解析では,EIAキットでgenotype Bと判定するために必要な抗mモノクローナル抗体(T2741)のエピトープに変異があることが判明し,EIAキットによるgenotype判定ができなかった原因と思われた. genotype B4によるB型急性肝炎の臨床報告は本邦では稀であり,ここに報告する. |
索引用語 |