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タイトル P-241:

超音波診断装置による肝線維化診断とMR elastographyの検討

演者 中嶋 駿介(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座)
共同演者 阿部 真美(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座), 澤田 康司(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座), 大竹 孝明(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座), 藤谷 幹弘(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座), 高後 裕(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学講座)
抄録 【背景】近年,肝臓の線維化診断において各種非侵襲的評価法が肝生検の代替検査となりうるか検討されている.非侵襲的評価法として血清線維化マーカーの4型コラーゲン7s,ヒアルロン酸や通常検査のパラメーターから算出するFib-4 index等があるが,画像診断機器である超音波診断装置やMRI装置を用いたElastographyによる肝硬度測定が実臨床で可能となった.当科におけるこれら最新肝組織硬度診断機器の初期データを報告する.【方法】超音波診断装置SIEMENS ACUSON S2000/S3000のVirtual Touch Quantification(VTQ)機能とMRI装置GEヘルスケアジャパンDiscovery MR750 3.0Tで肝硬度を評価し,肝生検結果と他の肝線維化マーカーであるFib-4 index,血小板数,4型コラーゲン7s,ヒアルロン酸と比較検討した,MRIではIterative decomposition of water and fat with echo asymmetry and least-squares estimation quantification sequence(IDEAL-IQ)を用いた肝脂肪の定量化も行った.【対象患者】2009年2月から2013年9月までに当科にて肝生検を行った患者のうちVTQ測定を行った患者68例(平均年齢60.6歳,男性42例,女性26例)を対象とした.内訳はウイルス性慢性肝炎20例,肝硬変24例,アルコール性肝疾患1例,非アルコール性脂肪性肝疾患16例,その他8例である.MR elastographyは2013年6月から同年9月までの間に15例施行した.【成績】VTQ機能はF0-2までの線維化非進行群とF3-4の線維化進行群を,カットオフ値1.58(m/s)で層別化可能であり(p<0.001),その感度78.4%,特異度82.1%,陽性的中率65.8%,陰性的中率78.6%である.また,MR elastography結果も線維化ステージと相関係数0.84で正の相関を示し,VTQと同程度の診断能を有すると考えられた.【結語】VTQおよびMR elastographyを用いた肝硬度測定は日常診療においてスクリーニング検査として有用であり,発癌のハイリスクの要精査群を非侵襲的に拾い上げることに有用と考えられる.
索引用語