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タイトル P-242:

超音波エラストグラフィによる非アルコール性脂肪性肝疾患患者の意識改革

演者 矢田 典久(近畿大学医学部消化器内科)
共同演者 萩原 智(近畿大学医学部消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部消化器内科)
抄録 【はじめに】肝組織の状態を把握することは,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療法を考えるうえで非常に重要である.超音波エラストグラフィは,非侵襲的に肝臓の弾性率を測定できるツールでありNAFLDの診断に有用であるとの報告が散見される.一方,NAFLDの治療では,生活習慣の改善を維持することが難しいことが問題の一つとされている.当院では,積極的にNAFLD患者に対して超音波エラストグラフィを施行しているが,超音波エラストグラフィがNAFLD治療に及ぼす影響について検討した.
【方法】2010年10月から2013年9月の間,当院で超音波エラストグラフィを施行したNAFLD患者に対してアンケート調査およびカルテ検索を行い,超音波エラストグラフィが患者に与える影響について検討した.【結果】169名のNAFLD患者に超音波エラストグラフィを施行した.102名(60.4%)は,超音波エラストグラフィでの定期的なフォローアップを希望した.また,124名(73.4%)は肝生検を受けることに同意し,更に48名(28.4%)は肝生検のフォローも希望した.超音波エラストグラフィを受けることで治療を前向きに考える要因になったとの回答を,肝生検を受けなかった患者を含め全ての患者から得た.患者の多くが,薬物療法を希望しなかったが,食事運動療法のみで66.0%の患者でNAFLDが改善した.
【結論】超音波エラストグラフィにより肝臓から直接得られる情報は,病態を把握するだけでなく,NAFLD患者に対して治療に対する強い意識改革を促すことにも繋がる.
索引用語