セッション情報 | ポスター肝 画像 |
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タイトル | P-243:SPECT/CTを用いたアシアロシンチグラフィによる急性肝障害の分肝機能評価の試み |
演者 | 小谷 晃平(大阪市立大学核医学) |
共同演者 | 河邉 讓治(大阪市立大学核医学), 川村 悦史(同肝胆膵内科), 東山 滋明(大阪市立大学核医学), 吉田 敦史(大阪市立大学核医学), 片山 豊(大阪市立大学核医学), 山永 隆史(大阪市立大学核医学), 川畑 英樹(大阪市立大学核医学), 塩見 進(大阪市立大学核医学) |
抄録 | 【目的】アシアロ糖蛋白受容体は正常肝細胞表面に特異的に発現しており,その受容体イメージングであるアシアロシンチグラフィは肝細胞機能の指標として種々の肝疾患に用いられている.SPECT/CTはガンマカメラとCTが一体となったモダリティであり,SPECTとCTの両者のずれのない融合画像を得ることができる.アシアロシンチグラフィにおいてもSPECT/CTを撮像することで肝細胞機能の詳細な評価が可能である.今回SPECT/CT併用のアシアロシンチグラフィを用いて急性肝障害における分肝機能評価を試みた.【方法】当院にて2010年4月以降,急性肝障害の肝機能評価目的にてSPECT/CT併用のアシアロシンチグラフィを施行した21例中,慢性肝障害の急性増悪を除く14例を対象とした.Tc-99m-GSA 185MBq投与直後よりPlanar像による20分間の経時的収集を行ったのち,SPECT/CTを追加撮像した.Planar像からLHL15,HH15を計測するとともにSPECT/CT像から機能性肝体積とSPECTカウント数を計測し,右葉,左葉に分けて算出した.急性肝不全の有無,肝性脳症出現の有無に分けて,それぞれの項目を検討した.【結果】急性肝不全を呈さなかった群(n=7)に比べ,呈した群(n=7)では肝全体(p=0.013)と右葉(p=0.015)のSPECTカウント数が少なかった.LHL15,HH15,機能性肝体積に有意差は見られなかった.また,肝性脳症が出現しなかった群(n=11)と比べ,出現した群(n=3)ではLHL15が低かった(p=0.036).HH15,機能性肝体積,SPECTカウント数に有意差は見られなかった.【結語】急性肝不全の予測にSPECTカウント数が有用であり,右葉の機能低下が示唆された.一方,肝性脳症の予測にはPlanar像によるLHL15値が有用であった.SPECT/CTを用いたアシアロシンチグラフィにて急性肝障害の分肝機能評価が可能であり,重症度を予測できる可能性が示唆された. |
索引用語 |