セッション情報 | ポスター肝硬変 |
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タイトル | P-246:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者における体重減少の効果 |
演者 | 小山 展子(川崎医科大学肝胆膵内科学) |
共同演者 | 仁科 惣治(川崎医科大学肝胆膵内科学), 富山 恭行(川崎医科大学肝胆膵内科学), 吉岡 奈穂子(川崎医科大学肝胆膵内科学), 原 裕一(川崎医科大学肝胆膵内科学), 日野 啓輔(川崎医科大学肝胆膵内科学) |
抄録 | 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に対する体重減量の効果は認知されているが,肝機能やインスリン抵抗性の改善にどの程度の減量が必要かは明確ではない.そこで食事指導を実施し,体重の減量に成功した患者の体重減少率と肝機能改善との関係について検討した. 【対象と方法】当院で肝生検を行いNAFLDと診断し,食事指導にて体重の減量を認めた患者42例(男性24例,女性18例:平均年齢49歳)を対象とした.ウイルス性慢性肝疾患,自己免疫性肝疾患を有する患者,評価期間中に内服薬の変更があった患者は除外した. 【結果】観察期間は平均9.9ヶ月.平均4.56kgの体重減少が認められ,体重減少率は平均5.70±3.70%であった.体重減少率5%を境に5%以上体重減少を認めた「(体重)減少群」と5%未満であった「(体重)非減少群」の2群にわけ,食事指導介入前後での各指標を比較した.「減少群」では,AST(84.6±70.2→45.2±41.3),ALT(64.9±50.5→35.6±22.7),γGTP(107.9±135.0→58.0±50.9),フェリチン(127±77→95±59)に有意な低下を認めた(P<0.05).脂質代謝指標や線維化マーカーは低下傾向を認めたが,有意差は認めず.また糖代謝指標においてIRI(18.2±10.5→12.8±8.3)に有意な低下を認めた(P<0.05).空腹時血糖値やHOMA-IRも低下傾向であったが,有意差は認めなかった.一方「非減少群」では肝機能指標,糖代謝指標のいずれにおいても有意な改善はみられなかった.また「減少群」では体組成計における内臓脂肪断面積(137.9±32.8→118.2±38.0),体脂肪量(28.5±9.75→23.5±9.22)で有意な減少がみられた(P<0.05).一方で骨格筋量(27.4±6.0→26.5±5.57)は有意な変化は認めなかった.【結語】NAFLD患者の食事指導において少なくとも全体重の5%以上の減量が達成できれば,骨格筋量は維持された状態で,体脂肪量,とりわけ内臓脂肪断面積が減少し,肝機能検査,糖代謝指標の改善を認め,NASHの病態改善,進展予防に効果があると考えられた. |
索引用語 |