セッション情報 ポスター

総胆管結石の治療1

タイトル P-252:

超高齢者総胆管結石に対する内視鏡治療の有効性と診療管理におけるポイント

演者 貝田 将郷(東京歯科大学市川総合病院消化器内科)
共同演者 伊藤 麻子(東京歯科大学市川総合病院消化器内科), 荒畑 恭子(東京歯科大学市川総合病院消化器内科), 財部 紗基子(東京歯科大学市川総合病院消化器内科), 木村 佳代子(東京歯科大学市川総合病院消化器内科), 岸川 浩(東京歯科大学市川総合病院消化器内科), 西田 次郎(東京歯科大学市川総合病院消化器内科)
抄録 【はじめに】今日,総胆管結石を有する高齢者に遭遇する機会が増して来ている.しかしERCPは通常内視鏡にくらべ重篤な合併症の発生率が高く,その適応については慎重にならざるを得ない.【目的】当院で内視鏡治療を行った85歳以上の総胆管結石症例をもとに,その有効性を評価し,治療および管理上の問題点と対策ついて検討した.【対象】当院にて2004~2012年までに85歳以上の総胆管結石症例に対して内視鏡治療を施行した54例(総施行回数62回).【結果】平均年齢89.2歳(85~98歳),基礎疾患保有率は48.1%,抗凝固剤服薬率は37%であった.無処置乳頭に対する初回胆管挿管率は94.4%,結石除去率は92.6%であった.平均処置時間は28.2分.処置内容ではESTが42例,要砕石例が14例であった.また2回以上の治療を要した症例は7例あり,うち3例が化膿性胆管炎のためドレナージ先行による計画的2期的治療であった.tubeステント留置のみが3症例あり,うち1例はその後胆管炎を繰り返し敗血症で死亡された.術中および術後合併症としては,ERCP後膵炎が4例みられたが,出血,穿孔ともに0例であり,術関連死も0例であった.有胆嚢結石率は44.4%であり,うち術後胆嚢炎発症率は12.5%であった.再発率は11.1%にみられたが,いずれの症例もその後の追加治療により十分対処可能であった.【考察】今回の評価では,各種処置成功率,合併症発生率において他世代と比較し遜色のない結果が得られ,超高齢者におけるその有効性が示された.しかしひとえに高齢者と言えどもその状態は様々であり,処置内容のみならず,術中・術後の管理においても慎重かつ柔軟な対応が求められる.今回の検討で得られた高齢者の背景および結石自体の特徴はいずれも内視鏡治療を行う際の負の要素ばかりであり,これらを踏まえた上でいかに効率よく安全に治療を完遂させるかが重要となる.当日は内視鏡診療におけるリスク回避のためのポイントについて報告する.
索引用語