セッション情報 | ポスター総胆管結石の治療2 |
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タイトル | P-258:当院における高齢者胆管結石患者に対する内視鏡的治療の検討 |
演者 | 川野 道隆(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学) |
共同演者 | 戒能 聖治(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 末永 成之(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 仙譽 学(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 原野 恵(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 吉田 加奈子(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学) |
抄録 | 【目的】当院では総胆管結石患者に対して,原則的には内視鏡的截石術を施行している.しかし,高齢者では認知症や重篤な基礎疾患を有することが多く,これらの症例では治療時間の短縮や治療回数の軽減など,より侵襲の小さな治療が必要となる.そのような症例の一部に対して当院では姑息的な内視鏡的胆管ステント留置術を施行しており,その有用性や安全性について検討する.【対象】1995年4月から2013年8月までに当院で内視鏡的処置を施行した総胆管結石患者488例を75歳以上の高齢者群(高齢者群)199例と74歳以下の群(非高齢者群)289例に分け,胆管結石径・個数,抗凝固剤内服率,基礎疾患有病率について比較した.また,高齢者群のうち外科治療へ移行した2例を除いた196例を姑息的胆管ステント留置群(EBD群)24例と内視鏡的截石術群(截石群)173例に分け,治療時間,治療回数,入院期間,再治療率について比較した.【結果】高齢者・非高齢者群の比較では平均結石径11.0mm:8.1mm,平均個数2.3:2.3と高齢者群で結石径が大きい傾向にあった.抗凝固剤内服率は16.1%:11.4%,基礎疾患有病率は心肺疾患18.1%:5.3%,脳神経疾患10.1%:7.3%といずれも高齢者群で高かった.高齢者群中のEBD群と截石群の比較では,平均治療時間は14.0分:32.6分,平均治療回数は1.2回:1.4回,平均入院期間は7.9日:13.8日とEBD群で治療時間・入院期間が短い傾向にあった.しかし,再治療率はEBD群41.7%,截石群25.5%とEBD群で高かった.EBD群の再治療までの平均期間は413日で,いずれも内視鏡的に対処可能であった.【結論】治療に難渋する胆管結石症例に対して姑息的胆管ステント留置術は安全に行えることが可能で,治療時間・入院期間の短縮が期待できる.長時間や複数回の内視鏡的処置が侵襲的となる高齢者結石症例では完全截石に拘らず,胆管ステントを姑息的に留置することも有用である. |
索引用語 |