セッション情報 ポスター

総胆管結石の治療2

タイトル P-259:

当院における高齢者総胆管結石患者の治療成績とEPLBDの有用性について

演者 川嶌 洋平(東海大学医学部付属病院消化器内科)
共同演者 川口 義明(東海大学医学部付属病院消化器内科), 中江 浩彦(東海大学医学部付属病院消化器内科), 水上 創(東海大学医学部付属病院消化器内科), 丸野 敦子(東海大学医学部付属病院消化器内科), 小川 真実(東海大学医学部付属病院消化器内科), 峯 徹哉(東海大学医学部付属病院消化器内科)
抄録 【背景】近年における高齢化社会の進行に伴い,高齢者における総胆管結石に対する内視鏡治療の機会は増える傾向にある.しかしながら,高齢者の総胆管結石は,巨大結石や積み上げ結石等の難治例,抗凝固薬の内服や多岐にわたる既往により治療が難渋することが度々見受けられる.一方,難治性総胆管結石に対するendoscopic papillary large balloon dilatation(EPLBD)が注目され,有効性・安全性が報告されている.【対象・方法】2006年4月~2013年6月までに総胆管結石に対して内視鏡治療を施行した,85歳以上の67例138件を対象とし,EPLBD施行群(8例)とEPLBD未施行群(59例)でその治療効果・安全性につき比較検討した.【成績】症例の平均結石径は,EPLBD施行群:14.2mm,未施行群:11.7mm,平均在院日数はEPLBD施行群:5.1日,未施行群:8.8日であった.平均ERCP施行回数は,EPLBD施行群:2.0回,未施行群:2.1回,完全採石率はEPLBD施行群:100%,未施行群:90%(残石例はEBD長期留置へ)であった.EPLBD施行群における術中・術後偶発症では一過性の肝機能障害が1例認められた以外に重症な膵炎や出血・穿孔等の偶発症はなく,未施行群では肺炎や軽症膵炎,胆のう炎等の偶発症が7.3%に認められた.EPLBD施行群においてはいずれの症例も再発は認めていない.【考察】高齢者総胆管結石患者に対するEPLBDは,完全採石率良好であり,再発胆管炎等のriskを著明に軽減し,処置そのものの安全性も高いと考えられた.
索引用語