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術後再建腸管FRCP その他

タイトル P-264:

当院で施行した急性胆嚢炎に対する経乳頭的胆嚢ドレナージについての検討

演者 遠藤 文司(国立病院機構京都医療センター消化器内科)
共同演者 水本 吉則(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 勝島 慎二(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 下釜 翼(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 江坂 直樹(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 太田 義之(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 岩本 諭(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 米田 俊貴(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 島 伸子(国立病院機構京都医療センター消化器内科), 前川 高天(国立病院機構京都医療センター消化器内科)
抄録 【目的】急性胆嚢炎の治療は早期の胆嚢摘出術が基本だが,何らかの理由で手術が施行されない症例にはPTGBDが考慮される.このような症例のうち,抗血栓療法施行例や腹水貯留例などに対しては経乳頭的胆嚢ドレナージを行うことがある.今回,当院で経験した急性胆嚢炎症例のうち経乳頭的胆嚢ドレナージを試みた症例について検討した.【対象】当院で2009年1月~13年9月までに経乳頭的胆嚢ドレナージを試みた12例を対象に後方視的に検討を行った.急性胆嚢炎の成因は胆石性が11例,無石性が1例であった.男女比は1:1,年齢は中央値で81歳であった.経乳頭的処置を試みた理由は全身状態不良11例,抗血栓療法施行中7例,胆管閉塞・胆管炎併存6例,解剖学的にPTGBD施行困難4例であった(重複あり).【結果】経乳頭的胆嚢ドレナージの手技成功率は66.7%(8/12)であった.手技成功例8例の内訳はENGBD7例,EGBS1例であった.手技成功例では全例で胆嚢炎の改善を認めた.手技不成功例4例にはやむを得ず全例に追加でPTGBDを施行し胆嚢炎の改善を認めた.手技不成功例でも胆管挿管は全例で成功しており胆管閉塞・胆管炎併存例にはEBSにてドレナージを施行した.偶発症は手技不成功例1例で胆嚢管損傷を生じたがPTGBDに加えてENBDを留置し軽快した.その他の偶発症は生じなかった.胆嚢炎改善後の胆摘(予定)例は5例,内瘻化例が1例であり,ドレナージチューブ抜去後経過観察例が6例であった.【結語】急性胆嚢炎に対する経乳頭的ドレナージはPTGBDに手技成功率では劣るものの手技成功例での胆嚢炎の制御は良好である.適応となる患者背景を考慮すると事故抜去時のトラブルの可能性が低く,胆嚢・胆管ドレナージが可能であること,出血リスクを回避できるなどPTGBDに比してメリットもある.従って,適応症例を限定してPTGBDに先行した経乳頭的ドレナージを試みることは患者にとって有益となり得る.
索引用語