セッション情報 ポスター

胆道腫瘍

タイトル P-266:

胆管癌術後転移性大腸癌の2切除例

演者 山村 喜之(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科)
共同演者 加藤 航平(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科), 鯉沼 潤吉(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科), 吉岡 達也(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科), 村川 力彦(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科), 大野 耕一(JA北海道厚生連帯広厚生病院外科)
抄録 【症例1】82歳,女性.既往歴として2年前に下部胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術を施行された.胸髄腫瘍による両下肢麻痺のため近医入院中に消化管穿孔の診断にて手術目的のため当科紹介された.S状結腸に穿孔部を認めハルトマン手術を施行した.病理組織学的診断で胆管癌の転移が疑われ,免疫染色でCK7(+),CA19-9(+),CEA(focal+),CK20(-),HMW-CK(-),CDX2(極少量+)で胆管癌のS状結腸転移と診断された.術後前医へ転院し補助療法施行せず,術後19ヶ月で永眠された.【症例2】65歳,男性.既往歴として3年前に中部胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術を施行された.上行結腸憩室炎の診断にて消化器内科入院していたが改善せず入院6日目にCTでfree air認めた.上行結腸憩室穿孔の診断にて当科紹介され結腸右半切除術を施行した.切除検体には多発する憩室の肛門側に腸管が引きつれて弯曲している部分があったが明らかな腫瘍は指摘できなかった.組織学的に漿膜下層から固有筋層を中心に管状腺癌,一部低分化腺癌が浸潤性発育していた.免疫染色ではCK7(+),CK20(-/+),HMW-CK(+/-),CDX2(-),CEA(+),CA19-9(+)で胆管癌の上行結腸転移と診断された.術後補助療法は施行せず,術後3ヶ月目に肝門部再発をきたし術後5ヶ月に永眠された.胆道癌の消化管に対する症例は非常に稀である.胆道癌における大腸転移に関する報告は肝内胆管癌2例,肝外胆管癌1例,Vater乳頭部癌2例のみであった.今回われわれが経験した胆管癌の大腸転移に関して報告する.
索引用語