セッション情報 ポスター

胆道腫瘍

タイトル P-267:

肝切除兼膵頭十二指腸切除(HPD)後,術後補助免疫化学療法を施行し術後9年無再発生存中の胆嚢癌の1例

演者 谷澤 武久(東京女子医科大学消化器外科)
共同演者 樋口 亮太(東京女子医科大学消化器外科), 梶山 英樹(東京女子医科大学消化器外科), 岡野 美々(東京女子医科大学消化器外科), 太田 岳洋(東京都保健医療公社荏原病院), 古川 徹(東京女子医科大学統合医科学研究所), 新井田 達雄(東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科)
抄録 【緒言】胆嚢癌の予後規定因子については様々な報告があるが,組織型も有意な予後因子として報告されている.また胆嚢癌を含めた胆道癌に対する補助療法の意義は不明である.今回我々はHPD後,補助免疫化学療法を施行し長期生存を得た胆嚢乳頭腺癌の1例を経験したので報告する.【症例】50歳,男性.2004年2月,人間ドックで胆嚢癌の診断を受け加療目的に当科紹介.腹部CT検査で胆嚢体部から底部にかけて造影効果を伴う充実性の腫瘍を,また門脈本幹周囲に約4cm,膵頭後面に約3cmのbulkyなリンパ節腫大を認めた.明らかな遠隔転移や腹水,播種などの非治癒因子も認めず,根治切除可能と判断し,2004年3月,肝S4aS5切除を伴う膵頭十二指腸切除,門脈合併切除再建術を施行した.術後経過は良好,術後第25病日に退院.病理組織学的診断はpap>tub1 infα ly1 v0 pn0 pat Gf ss pHinf0 pBinf0 pPV0 pA0 pN2(#12c,12p,13a,8p,4/18)pBM0 pHM0 pEM1 pT2 fStageIII CurBであった.術後約2週間より補助化学療法としてUFT300mg/day,連日投与で開始,樹状細胞ワクチンを用いた免疫療法を術後9か月まで併施.その後術後1年4か月よりS-1 50mg/day,4投2休で投与し,術後約5年まで継続した.現在術後9年無再発生存中である.2012年までの当科での胆嚢癌切除例462例中,乳頭腺癌は151例であった.組織型別にみると治癒切除例で乳頭腺癌,管状腺癌の5生率は74.7%,41.7%(p<0.001)であった.乳頭腺癌において治癒切除,ss以深,Binf0症例に限りリンパ節転移の有無別(n-/n+)での5生率は各々83.5%(n-),53.6%(n+)であった(p=0.0108).【結論】本症例において長期生存が得られた要因として,組織型,術後補助療法が寄与した可能性が示唆された.
索引用語