セッション情報 ポスター

胆道腫瘍

タイトル P-268:

総胆管切石後6年目に認めた肝外胆管癌の1例

演者 新庄 幸子(市立藤井寺市民病院)
共同演者 高台 真太郎(市立藤井寺市民病院), 福原 研一朗(市立藤井寺市民病院)
抄録 【症例】82歳,女性.6年前に血液検査所見で肝胆道系酵素の上昇を指摘,腹部エコー検査で胆嚢結石及び総胆管結石を認めたため,胆嚢摘出術及び総胆管切石術を施行した.術中胆道造影で胆管に腫瘤はなく,病理組織学的検査所見で摘出胆嚢に悪性像は認めなかった.術後,CA19-9が150~170 U/mLと高値であったため,外来にて定期的に腹部CT検査,血液検査を行い経過観察していたが,明らかな悪性腫瘍を疑う所見は認めなかった.術6年目に黄疸を主訴に受診,T-bil 14.81 mg/dL,CA19-9 5100 U/mLと上昇しておりPTCDを施行した.胆道造影を行ったところ中部胆管の途絶が認められた.胆汁細胞診でclassIIIb,PET-CT検査で総胆管にSUVmax 3.0の集積を認め,肝外胆管癌が疑われたため膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査所見は,Bm,tub2,ly0,v0,pn0,pT3:fm,pHinf0,pGinf0,pPanc1b,pDu0,pPV0,pA0,pN0,H0,P0,pHM0,pDM0,pEM0,M(-),fStageIIIであった.【考察】総胆管結石と胆管癌の因果関係は不明であるが,総胆管切石時あるいは切石後に胆管癌を認めた症例が,頻度は少ないながら報告されている.総胆管切石を認めた際には同時性,異時性の癌の可能性も考え,慎重な精査が必要であると考えられた.今回,我々は総胆管切石術後6年目に認めた肝外胆管癌の一例を経験したので文献的考察を含めて報告する.
索引用語