セッション情報 ポスター

胆道癌 その他

タイトル P-272:

胆嚢腫瘍に対する造影ハーモニックEUSの検討

演者 金子 恵子(日本医科大学消化器内科学)
共同演者 水口 義昭(日本医科大学消化器外科), 橋本 知実(日本医科大学消化器内科学), 松下 洋子(日本医科大学消化器内科学), 福田 健(日本医科大学消化器内科学), 川本 智章(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学), 神田 知洋(日本医科大学消化器外科), 清水 哲也(日本医科大学消化器外科), 内田 英二(日本医科大学消化器外科)
抄録 EUS検査は,体表式超音波検査,CTあるいはMRIと比較しても局所の観察における空間分解能に優れていることから,胆道疾患の診断にも有用な検査の一つである.今回我々は当院における胆嚢腫瘍でEUS下にSonazoid造影を施行し手術にて病理診断が確定した4例についてEUS所見と病理所見を対比させて検討した.症例1;66歳男性 胆嚢頚部に7mmの隆起性病変あり,造影にてまず胆嚢壁が造影され,隆起性病変の内部よりわずかに造影された.一部斑な部分もあるがほぼ均一に造影された.病理所見はコレステロールポリープであった.症例2;41歳 男性 胆嚢体部に84mmの隆起性病変あり,造影にて極わずかに造影された.血流は乏しい所見と判断した.病理所見はコレステロールポリープであった.症例3;65歳 男性 胆嚢底部に20mmの不正な隆起性病変あり,造影では腫瘍は全体に強く濃染され,漿膜面は一部不整であった.病理所見はAdenocarcinomaであった.症例4;56歳 女性 胆嚢体部に10mm有の有茎性の腫瘍あり,造影にてやや強く濃染された.漿膜面は保たれていた.病理所見はコレステロールポリープであった.症例1,2については造影効果も極わずかでありEUSにてコレステロールポリープと診断.症例3も癌と診断し,病理所見と一致していた.しかし症例4については濃染もあり,癌も否定できないと判断したが,病理と一致しなかった.造影にて,濃染の強度や造影による構造が明確となるためより形態の診断が容易になると言われている.癌は強く濃染されることより鑑別は容易であると判断されるが,コレステロールポリープについては血流が多いものも存在する.しかし小さいポリープについては濃染も極わずかであった.この結果特異度は高いと考えられた.症例がまだ少なくこれからさらに検討が必要であるが,Sonazoidを用いたEUSは胆嚢腫瘍の診断に有用であると考えられる.
索引用語