セッション情報 ポスター

門脈圧亢進症

タイトル P-275:

進行性の汎血球減少症に対してHassab手術が奏効した食道胃静脈瘤を有するNASHの1例

演者 福原 賢治(塩竈市立病院外科)
共同演者 横山 忠明(塩竈市立病院外科), 佐々木 剛(塩竈市立病院外科), 藤川 奈々子(塩竈市立病院外科), 山田 美樹(塩竈市立病院消化器内科), 泡渕 賢(塩竈市立病院消化器内科)
抄録 【はじめに】NASHのなかには,急速に肝の線維化や肝機能障害が進行する症例がある.【症例】60歳代男性.平成16年に他院でNASH(F2/A1)の診断を受け,平成21年から当院内科で汎血球減少症の進行と脾腫の悪化が指摘されていた.平成24年5月,WBC1400,RBC304万,血小板数4.9万,食道胃静脈瘤(Lm F3 Cb RC(+),Lg-c F2 Cb RC(+)),Child-Pughスコア9点(B)で,軽度肥満(BMI 29.2)もみられた.胃腎シャントなくB-RTOの適応なし,EISはリスクが高く効果不十分と考えられ,Hassab手術を勧められ外科紹介.【手術所見】明らかな肝硬変を呈し,400mlの腹水を認めた.摘出脾重量は1480グラム,術中門脈圧は脾摘前が295,脾摘後が265mmH20であった.手術時間は5時間44分,術中出血量は1275グラム,血小板20単位,濃厚赤血球4単位,凍結血漿4単位の輸血を要した.【術後経過】合併症なく第23病日に退院した.術後6ヶ月のWBC 7400,RBC 351万,血小板数27.8万,食道胃静脈瘤(Lm F1 Cb RC(-),Lg-c F1 Cb RC(-)),Child-Pughスコア5点(A).現在,術後1年3ヶ月を経過したが,WBC 8100,RBC 359万,血小板数28.5万で,肝細胞癌の発生を認めていない.【まとめ】NASHによる汎血球減少症,食道胃静脈瘤に対して,Hassab手術は有効な治療法の1つである.
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