セッション情報 ポスター

門脈圧亢進症

タイトル P-277:

食道胃静脈に対する内視鏡的静脈瘤結紮術後のIVRの有用性

演者 魚嶋 晴紀(湘南鎌倉総合病院消化器病センター)
共同演者 金原 猛(湘南鎌倉総合病院消化器病センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院消化器病センター)
抄録 【目的】内視鏡的静脈瘤結紮術(以下EVL)は手技が簡便でバリアンスが少なく,食道胃静脈瘤破裂例に対して第一選択とされる.一方で,EVLは治療後の静脈瘤早期再発が問題となり,EVL後の内視鏡追加治療困難例に度々遭遇する.これら治療困難例に対してInterventional Radiology(以下IVR)の有用性が報告されるが,予後改善についての検討は少ないため,EVL後に治療困難を呈した食道胃静脈瘤に対するIVRの意義について検討を行なった.【方法】2001年より2008年当院並びに当院関連病院で経験したEVL施行食道胃静脈瘤患者231例における背景因子,再発率及び死亡率の検討を行った.次いで2009年より2012年に経験したEVL施行食道胃静脈瘤82例の中で,内視鏡治療困難例に対しIVR(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(以下B-RTO)又は経皮経肝静脈瘤硬化療法(以下PTS))を追加した際の,背景因子,再発率,死亡率,IVR導入率及びIVR治療後合併症の検討を行なった.尚,EVL後内視鏡治療困難例はEVL後6か月以内に効果が認められなかった症例,または追加EVL困難例とした.【結果】2001年より2008年:231例 平均年齢61.9歳Child-phgh A 50% B 36%C 14%,破裂例82例 予定例149例,観察期間24ヶ月の破裂群の食道静脈瘤再破裂27%,死亡率21%.2009年より2012年:92例 平均年齢59.8歳Child-phgh A 48% B 37%C 15%,観察期間24ヶ月の破裂群の食道胃静脈瘤再破裂15% 死亡率13%.IVR導入率9.7%(B-RTO 4例,PTS 4例).手技関連の合併症は無し.IVR施行1ヶ月後のCT検査及び内視鏡検査では食道胃静脈瘤消失率86%.B-RTO施行後腹水増悪例が1例認められた.【結論】EVL後に治療困難を呈する食道静脈瘤例に対してIVRを導入することで再発率,死亡率の低下が認められ,EVL後の追加治療にIVRの有用性が少数例ではあるが示唆された.
索引用語