セッション情報 ポスター

症例胃癌3

タイトル P-281:

分割DCS療法が著効し切除し得た高度進行胃癌の1例

演者 小松崎 ちひろ(新潟県立がんセンター新潟病院)
共同演者 梨本 篤(新潟県立がんセンター新潟病院), 藪崎 裕(新潟県立がんセンター新潟病院), 松木 淳(新潟県立がんセンター新潟病院), 會澤 雅樹(新潟県立がんセンター新潟病院), 丸山 聡(新潟県立がんセンター新潟病院), 野村 達也(新潟県立がんセンター新潟病院), 中川 悟(新潟県立がんセンター新潟病院), 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院), 土屋 嘉昭(新潟県立がんセンター新潟病院)
抄録 症例は70歳,男性.黒色便と息切れで発症.上腹部消化管内視鏡検査にて,胃体部後壁に4型胃癌(tub2>por2)を認め,当科へ紹介入院となる.入院時血液生化学所見ではHb 6.0g/dlと貧血を認め,腫瘍マーカーはCEA11.3 ng/ml,CA19-9>12000 U/ml,CA125 236 U/mlと上昇していた.腹部造影CTにて,領域リンパ節および大動脈を取り囲むように#16リンパ節が腫大しており,肝転移2個(S5,S6),脾臓転移を指摘された.審査腹腔鏡にて腹腔内に多数の腹膜播種結節を認め,洗浄細胞診もClass Vであり,T4a(SE)N2H1 P3CY1M1(LYM,脾)Stage IVと診断された.手術は断念し,化学療法の方針とした.分割DCS療法(DOC:35mg/m2,CDDP:35mg/m2,TS-1:80mg/m2)を2コース施行した時点で肝転移と脾転移の消失,転移リンパ節の縮小化を認め,4コース施行した時点でPRを維持し腫瘍マーカーは正常化していた.有害事象としてはgrade 2~4の好中球減少が主体であった.7コース後CEAの軽度上昇を認めたが,リンパ節腫大は消失し画像上転移病変は指摘できなかった.13コース施行した時点で臨床上非切除因子が明かでないこと,末梢神経障害Grade2が出現したこと,CDDPの累積使用量が780 mg/m2となり腎毒性が出現したことなどにより手術の方針に変更した.胃全摘,D1+,#16リンパ節郭清を行い,antecolic Roux-en-Yにて再建した.病理組織学的所見は3型(IIc like),24×18mm,tub2>por2,ypT2(SS)N0(0/56)M0,pStageIIで,downstagingしておりR0切除となった.組織学的効果は原発巣Grade 1b,リンパ節Grade 3であった.術後は肺炎を合併したが改善し第15病日に退院した.現在化学療法中である.分割DCS療法が奏効しConversion Surgeryにて根治切除し得た切除不能進行胃癌を経験したので報告した.化学療法にて臨床的に消失した転移病変の推移については今後も注意深く経過観察していく必要がある.
索引用語