セッション情報 ポスター

症例胃癌4

タイトル P-285:

当院における75歳以上高齢者胃癌術後補助化学療法の現状

演者 菅谷 明徳(茨城県立中央病院腫瘍内科)
共同演者 天貝 賢二(茨城県立中央病院消化器内科), 今西 真実子(茨城県立中央病院消化器内科), 大関 瑞治(茨城県立中央病院消化器内科), 藤枝 真司(茨城県立中央病院消化器内科), 藤澤 文絵(茨城県立中央病院腫瘍内科), 三橋 彰一(茨城県立中央病院腫瘍内科), 荒木 眞裕(茨城県立中央病院消化器内科), 五頭 三秀(茨城県立中央病院消化器内科), 小島 寛(茨城県立中央病院腫瘍内科)
抄録 【背景】胃癌術後補助化学療法は,本邦ではACTS-GC試験を受けて,TS-1 1年間投与としているが,高齢者における安全性は確立していない.
【目的】当院における75歳以上高齢者胃癌術後補助化学療法の効果,安全性を検討する.【対象】2010年1月より2012年12月までに当院で胃癌手術を施行し,p-StageIIもしくはIIIとの診断であった24例のうち術後補助化学療法を施行された11例.【方法】当院でがん登録された対象から後方視的に検討した.【結果】術後補助化学療法を施行されなかった13例は,その事由について患者希望/PS不良/合併症/医師判断=8/3/1/1例であった.術後補助化学療法を施行された11例において,年齢中央値は79[75-83]歳,男/女=9/2,stageII/III=2/9,PS0/1=2/9であった.全例がTS-1を開始されており,手術より化学療法開始までの期間は,中央値5.9週[4.7-14.9週]であった.初回投与量は,減量なし/1段階減量/2段階減量=0/9/2例であり,2段階減量の事由は2例ともCcr低下によるものであった.薬剤強度は,0.66(0.11-0.92),投与期間中央値は8.7か月であった.観察期間中央値は1.1年(範囲;0.7-3.1年),無再発生存期間(RFS)は,15.6ヵ月(95%CI 7.2-24.0ヵ月),生存期間は34.0ヵ月(95%CI 11.4-60.0ヵ月)であった.1年間内服完遂率は4例(36%)であった.毒性は,Gr3/4以上の血液毒性は,白血球減少0%,好中球減少18.2%,貧血9.1%,血小板減少0%,非血液毒性は,下痢9.1%であった.2コース目に減量を要したものは9.1%であった.【結語】高齢者のTS-1は経験的に減量投与することで比較的安全に投与できるが,治療が継続できない症例もあり,その適応は個々に応じて決定することがよいと思われた.
索引用語