セッション情報 ポスター

H.pylori感染症1

タイトル P-288:

当院におけるH.pylori陽性胃炎に対する除菌治療成績

演者 澤崎 拓郎(厚生連高岡病院消化器内科)
共同演者 本藤 有智(厚生連高岡病院消化器内科), 小川 浩平(厚生連高岡病院消化器内科), 國谷 等(厚生連高岡病院消化器内科), 西田 泰之(厚生連高岡病院消化器内科), 平井 信行(厚生連高岡病院消化器内科), 寺田 光宏(厚生連高岡病院消化器内科)
抄録 【目的】2013年2月より慢性胃炎に対するH.pylori除菌療法が保険適応となったが,これまで慢性胃炎単独の除菌治療の成績は十分には検討されていない.そこで当院において慢性胃炎に対してH.pylori除菌療法を行い,その治療成績を評価したので報告する.【方法】ガイドラインに従い内視鏡的に萎縮性胃炎が証明され,H.pyloriの存在が証明された患者を対象として3種類のPPIをランダムに割り振り,アモキシシリンは1500mg,クラリスロマイシンは400mgとし除菌療法を行う.除菌終了後4週以降に尿素呼気試験にて除菌判定を行い,除菌療法の成否が確認できた症例について解析を行った.尚,従来の除菌治療対象となる疾患については今回の研究からは除外した.統計学的検討はMann-Whitney U testを用い,P<0.05を統計学的有意差ありとした.【結果】現在まで一次除菌療法を行った患者は150名,そのうち除菌判定が終了しているのは81名.男44名・女37名で年齢は27-85歳,存在診断は迅速ウレアーゼ試験が56名,血清・尿中抗体が12名,生検が13名であった.受診動機は健診異常が58名,自覚症状が13名,その他が10名であった.全体の一次除菌率は84%(68/81例),そのうちランソプラゾールは88.5%(23/26例),エソメプラゾールは90.3%(28/31例),ラベプラゾールは70.8%(17/24例)であった.ラベプラゾールで除菌率が低い傾向があったが3群間に有意差はなかった(p=0.124).【結論】当院における慢性胃炎に対するH.pylori一次除菌療法の治療成績は従来の疾患に対する除菌成績に比べ高い傾向があった.また,PPIの種類による統計学的有意差はみられなかった.現在もさらに症例を追加し,二次除菌の治療成績を含め検討中である.
索引用語