セッション情報 ポスター

H.pylori感染症1

タイトル P-289:

当院におけるH. Pylori一次・二次除菌における除菌未判定症例についての検討

演者 堀井 孝容(堀井医院)
共同演者 小西 英幸(京都府立医科大学消化器内科), 伊藤 義人(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【目的】2013年よりH. Pylori感染胃炎への除菌療法が保険適応となり,今後除菌症例数は増加すると思われる.一方除菌投薬を行われたにもかかわらず,除菌判定に来院しない症例も少なからず存在する.今回当院で一次・二次除菌を行い,その後来院しなかった症例について検討を行った.【方法】対象は2006~13年に当院で治療した一次除菌症例889例二次除菌症例216例のうち,除菌後一度も来院しなかった一次除菌症例47例二次除菌症例14例および除菌後,一旦は来院したものの,その後原疾患の継続加療中に来院しなくなった一次除菌症例77例二次除菌症例11例について検討を行った.【成績】除菌後一度も来院しなかった症例の全除菌症例に対する割合は,一次除菌では男女別に5.9%,4.5%,二次除菌では6.6%,6.4%と差がみられなかったのに対し,継続加療中に来院しなくなった症例は,一次除菌では11.2%,5.7%,二次除菌では6.6%,3.2%といずれも男性に多かった.年代別にみると一次除菌では一度も来院しなかった症例が20代13.3%・30代19%,継続加療中に来院しなくなった症例が20代20%・30代で14.3%・40代18%と若い世代に多いのに対し,二次除菌では前者が60代9%・70代7.3%,後者が50代10.6%と中高年に多かった.原疾患別にみると一度も来院しなかった症例では萎縮性胃炎・胃十二指腸潰瘍瘢痕の占める割合が一次除菌72.3%,二次除菌85.7%と非常に高いのに対し,途中で来院しなくなった症例では活動期・治癒期の胃十二指腸潰瘍の占める割合が一次除菌66.3%二次除菌90.9%と高率であった.【結論・考案】現在一次除菌成功率は7~8割台,二次除菌成功率は8割台との多くの報告がある.裏を返せば2~3割が除菌不成功であり,さらに除菌後発生胃癌も問題となっている.これらの問題に対する十分なインフォームドコンセントが除菌時に必要であり,除菌後の厳重なフォローが不可欠であると考える.
索引用語