セッション情報 ポスター

H.pylori感染症1

タイトル P-290:

当院におけるHelicobacter pylori二次除菌率の検討

演者 北村 絢(自治医科大学消化器内科)
共同演者 佐藤 貴一(自治医科大学消化器内科), 岩下 ちひろ(自治医科大学消化器内科), 永田 博之(自治医科大学消化器内科), 宮田 康史(自治医科大学消化器内科), 永山 学(自治医科大学消化器内科), 高橋 治夫(自治医科大学消化器内科), 井野 裕治(自治医科大学消化器内科), 坂本 博次(自治医科大学消化器内科), 三浦 義正(自治医科大学消化器内科), 大澤 博之(自治医科大学消化器内科), 菅野 健太郎(自治医科大学消化器内科)
抄録 2009年から2012年の4年間で,当院における,Helicobacter pylori二次除菌成績の年時変化の有無について検討した.【方法】2009年~2012年の4年間に当院で二次除菌を行った230例,内訳は2009年43例,2010年61例,2011年61例,2012年65例を対象とした.平均年齢は58.3±15.3歳(14歳~88歳).H. pylori関連疾患は,消化性潰瘍,早期胃癌内視鏡術後,萎縮性胃炎,その他に分類した.背景胃粘膜萎縮の程度は,木村・竹本分類で評価した.除菌率は,各々の年でPP,ITT解析を行った.各年の患者背景因子を4群間で比較した.【結果】各年の除菌率を以下に示す.PP解析:2009年92.3%(95%信頼区間;83.9-100),2010年88.7%(80.2-97.2),2011年92.6%(89.0-96.2),2012年85.7%(76.5-94.9),(カイ二乗検定 p=0.62).ITT解析:2009年83.7%(72.7-94.7),2010年72.3%(61.4-83.2),2011年82.0%(72.4-91.6),2012年73.8%(63.1-84.5),(カイ二乗検定 p=0.37).各年の症例の,年齢,性差,背景胃粘膜萎縮(closed typeの比率:2009年60.0%,2010年41.1%,2011年37.0%,2012年45.8%),疾患(消化性潰瘍の比率:2009年34.9%,2010年40.0%,2011年24.6%,2012年23.1%)に4群間で有意差は見られなかった.臨床的に問題となった副作用は,下痢,白血球減少が1例ずつのみであった.【結論】2012年にPP除菌率の低下傾向が認められたが,原因となる背景因子は明らかではなかった.今後の二次除菌率の推移に注意する必要があると考えられた.
索引用語