セッション情報 ポスター

H.pylori感染症1

タイトル P-291:

当院におけるHelicobacter pylori菌感染症に対する三次除菌療法の検討

演者 春田 明子(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
共同演者 水野 滋章(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 牧野 加織(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 宮田 隆(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 大山 恭平(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 川島 志布子(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 中村 由紀(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 堀内 裕太(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 上原 俊樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 好士 大介(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 岩本 真帆(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 菊池 浩史(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 佐藤 秀樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 原澤 尚登(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 松村 寛(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 森山 光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
抄録 【背景】我国におけるHelicobacter pylori菌感染症に対する一次除菌PPI(P)+AMPC(A)+CAM(C)成功率は近年75%程度に低下,二次除菌PA+MNZ(M)は90%前後で推移と報告され,除菌失敗例が存在する.ペニシリン(PC)アレルギー等によるPAC,PAM不耐例も経験される.2013年2月から内視鏡的胃炎も保険適応となり,除菌症例の著増も予測され,三次除菌適応例が増加すると考えられる.三次除菌療法については,本邦のRCTにより高用量PA,PA+LVFX(L)よりもPA+STFX(S)が優れている事が示された(J Gastroenterol, 2013)が,その成功率は70%と十分ではない.【目的】適切な三次除菌療法を模索するため,当院での三次除菌療法施行例を検討する.【方法】PAC,PAMによる一次,二次除菌失敗14例,一次除菌時のPCアレルギー1例,中国で6回の除菌失敗1例,及びCで肝障害の既往1例も含めて,三次除菌を施行した17例について検討した.除菌判定は,内服終了2か月以上経過後に尿素呼気試験にて判定した.【成績】男11例,女6例,年齢33-81歳.P(RPZ30mg分3 or LPZ60mg分2)+A1500mg分3+L500mg分1での除菌成功率は全体で60%(3/5),7日間0%(0/1),14日間75%(3/4).LをS200mg分2に置き換えたPASでの成功率は全体で62%(5/8),10日間57%(4/7),14日間100%(1/1).P+AMPC2000mg分4の14日間では0%(0/2).P+M500mg+S200mg分2の7と14日間では各々100%(1/1).副作用出現2例(下痢or血便)及びコンプライアンス不良2例では除菌失敗.【結論】STFXを含めた三次除菌療法は成功率70%(7/10)と比較的高率で,三次除菌薬の第一選択になり得る事が示唆された.PASだけでなく,PMSも有効な可能性がある.除菌率向上のみならず,コンプライアンスや副作用などを考慮した上での投与方法,期間,PPI量などの検討を継続し,一般臨床で推奨できる三次除菌療法の確立と保険適応が望まれる.
索引用語