| セッション情報 | ポスター症例その他（胃・十二指腸・外科） |
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| タイトル | P-297：胃全摘術後における血中ビタミンB12値の推移と経口補充療法の有効性について |
| 演者 | 森本 大樹（IHI播磨病院外科） |
| 共同演者 | 大原 忠敬（IHI播磨病院外科）, 久米井 伸介（IHI播磨病院内科）, 廣瀬 精久（IHI播磨病院内科）, 小倉 武司（IHI播磨病院内科）, 大西 裕（IHI播磨病院内科）, 前田 光雄（IHI播磨病院内科）, 楠本 長正（IHI播磨病院外科） |
| 抄録 | 【目的】胃全摘術後は，内因子欠乏によりビタミンB12（以下VB12）の吸収が障害され，VB12欠乏症状を引き起こすとされている．VB12の補充には内因子欠乏のため注射投与が必要とされてきたが，近年，経口投与の方が有効であるという報告が散見される．当院では術後から定期的にVB12を測定しVB12補充療法を行ってきたので，VB12の推移と経口補充療法の有効性について報告する．【方法】2002年から2012年にかけて当科で胃全摘術を施行し，術後定期的に血中VB12を測定した30例のうち，血中VB12低下（233pg/ml以下）を認めてから補充療法を開始した18例を対象とした．【結果】18例の平均年齢は65.9歳，術後平均経過期間は44.9か月であり，術後からVB12低下を呈するまでの期間は平均11.4か月（3～19か月）であった．メコバラミン投与開始は14例，ヒドロキソコバラミン投与開始は4例であり，そのうち3例は途中からメコバラミン投与に変更していた．メコバラミン投与前の平均VB12は205.4pg/ml（176～230pg/ml）であり，投与3か月後の平均VB12は498.0pg/ml（215～890pg/ml）で有意に上昇していた（p＜0.001）．また，ヒドロキソコバラミン投与前の平均VB12値は208.3pg/ml（176～227pg/ml）であり，投与3か月後の平均VB12は305.0pg/ml（282～350pg/ml）で有意に上昇していた（p=0.03）．なお，メコバラミン投与12か月後の平均VB12は724.1pg/ml（260～1180pg/ml）であった．【結語】VB12の低下を比較的術後早期から認めていた．胃全摘術後のVB12低下に対する補充療法は経口投与でも有効であり，注射投与に比べて簡便で患者の苦痛も少なく，定期投与によって安定した値を維持すると思われた． |
| 索引用語 |